ひとり親が受けられる手当・助成金一覧
シングルマザーなどのひとり親が受けられる公的な手当金や助成金にはどのようなものがあるのか、下表に一覧でまとめました。
手当・助成金名
- 児童扶養手当
- 児童育成手当
- ひとり親家庭住宅手当
- ひとり親家族等医療費助成制度
それぞれの手当金や助成金などについて簡単に解説していきます。
また、下記手当・制度はひとり親だけが利用できるわけではないものの、役に立つ手当として紹介します。
- 児童手当
- 障害児福祉手当
- 特別児童扶養手当
- 乳幼児や義務教育就学児の医療費制度
- 生活保護
- 遺族年金
児童手当は、0歳から中学校卒業までの子どもを養育している人に支給され、支給金額は子どもの年齢によって異なります。
子どもの年齢 |
児童手当の金額(子ども1人あたり) |
3歳未満 |
一律1万5,000円 |
3歳以上小学校修了 |
1万円(第3子以降は1万5,000円) |
中学生 |
一律1万円 |
なお、受給者の所得が限度額以上の場合は、特例により子ども1人あたり一律5,000円が支給されます。
児童扶養手当は、ひとり親世帯で養育される子どもの生活の安定のために支給される手当で、親の所得によって全額支給か一部支給、または不支給かが決まります。
児童扶養手当の受給対象者は、「18歳に達する日以降の最初の3月31日までの子ども(障害の子どもの場合は20歳未満)」を養育している親などです。ちなみに、「18歳に達する日以降の最初の3月31日までの子ども」とは、一般的に高校3年生を卒業するまでの子どものことを指します。
手当金額は子どもの人数や親の所得に応じて次のように異なります。
子どもの人数 |
全部支給 |
一部支給 |
1人 |
4万3,160円 |
1万180円~4万3,150円 |
2人目 |
1万190円 |
5,100円~1万180円 |
3人目以降1人につき |
6,110円 |
3,060円~6,100円 |
なお、児童扶養手当については後ほど詳しく解説します。
児童育成手当
児童育成手当は、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの子ども(障害を持っている場合は20歳未満の子ども)を養育しているひとり親家庭に支給される手当金で、支給金額は以下の通りです。
手当金名 |
支給金額(月額) |
育成手当 |
1万3,500円(子ども1人あたり) |
障害手当 |
1万5,500円(子ども1人あたり) |
児童育成手当も申請者の所得制限があり、自治体によっては制度がないところもあるため、詳細は各自治体の窓口で確認してください。
生活保護は、生活が困窮している人に対し、健康で文化的な最低限度の生活を保障し自立をサポートするための制度です。生活保護を受けるためには、援助してくれる人がいないことや資産を一切持っていないことなど細かい条件が定められています。
具体的な扶助内容としては、生活・住宅・教育・医療・介護・出産・生業・葬祭扶助があり、受給金額は住んでいるエリアや収入、家族構成などにより異なります。
ひとり親家庭住宅手当
ひとり親家庭の住宅手当は、ひとり親世帯で18歳もしくは20歳未満の子どもを養育している人が受けられる手当金で、家賃の一部を補助してもらうことができます。
ただし、自治体によって制度がないところもあり、手当金額も自治体により異なるため、制度の有無や詳細については各自治体に問い合わせてください。
ひとり親家族等医療費助成制度
ひとり親家族等医療費助成制度は、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子ども(障害を持っている場合は20歳未満)を養育しているひとり親が受けられる助成制度です。親や子どもが医療機関の窓口で支払う医療費の自己負担分を自治体が助成してくれます。
ただし、親の所得制限があるため限度額以上の所得がある場合は不支給となります。また、助成内容は自治体によって異なるので窓口で確認してください。
乳幼児や義務教育就学児の医療費制度
子どもが医療機関を受診した際に支払う医療費のうち、自己負担分を助成してくれる制度です。幼稚園児や保育園児は「乳幼児医療費助成制度(マル乳)」、小学1年生から中学3年生の子どもは「義務教育就学児医療費助成制度(マル子)」が適用されます。
自治体によって制度のないところもあり、制度があっても自治体ごとに子どもの対象年齢や親の所得制限などが異なるため、制度の有無や内容については窓口で確認してみましょう。
特別児童扶養手当は、障害を持っている子どもの福祉増進を図るために、20歳未満の障害児を養育している親に支給される手当金で、支給金額は以下の通りです。
障害の級 |
支給金額(月額) |
1級 |
5万2,500円 |
2級 |
3万4,970円 |
ただし、親の所得によっては不支給となります。
障害児福祉手当は、20歳未満の重度の障害のある子どもを養育している親などが受け取れる手当金で、支給金額は以下の通りです。
ただし、受給する親などの前年の所得が一定額以上の場合は不支給となります。
遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」のふたつがあり、亡くなった人が自営業やフリーランスといった人の場合「遺族基礎年金」が、会社員や公務員だった場合は「遺族厚生年金」が遺族に支給されます。受給金額は、亡くなった人が保険料をどのくらい納付していたかなどによって異なります。
なお、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」は、それぞれ受給要件や受給対象者などが細かく決められていますので、詳しくは日本年金機構のサイトで確認しましょう。
児童扶養手当とは|対象者・期間・金額・支給日
児童扶養手当は、離婚により父または母と生計を同じくしていない子どもが、その家庭の生活の安定と自立の促進をサポートするために支給される手当金です。ひとり親世帯にとってはメリットのある制度ですが、すべてのひとり親が対象となるわけではなく所定の要件を満たしている必要があります。
では、具体的な要件や手当金額などについて確認していきましょう。
児童扶養手当の受給対象者は、「18歳に達する日以降の最初の3月31日までの子ども(障害の子どもの場合は20歳未満)」を養育しているひとり親世帯の母もしくは父、父母の代わりに子どもを養育している祖父母などです。
ただし、父または母、子どもが次のいずれかの状態に当てはまる場合は受給が制限される可能性があります。
- 子どもが児童福祉施設などに入所している、里親に委託されている
- 父または母に内縁関係など事実上の婚姻関係がある人がいる
- 父と母、子どもが実際に同居している、またはそれに近い状態である など
また、離婚後は実家に戻り親と同居するというケースもありますが、同居する両親や兄弟などの所得により、児童扶養手当が満額受給できるか一部支給となるか、さらには全部支給停止となるかが異なるため、注意が必要です。
児童扶養手当を受けられる期間
児童扶養手当を受けられるのは、子どもが18歳に達する日以降の最初の3月31日まで(障害の子どもの場合は20歳未満)の間です。
児童扶養手当の金額
児童扶養手当の金額は、前年の所得によって「全部支給」か「一部支給」のいずれかが決まり、それぞれ以下の金額となっています(令和3年4月から適用分)。
子どもの人数 |
全部支給 |
一部支給 |
1人 |
4万3,160円 |
1万180円~4万3,150円 |
2人目 |
1万190円 |
5,100円~1万180円 |
3人目以降1人につき |
6,110円 |
3,060円~6,100円 |
参考:厚生労働省「児童扶養手当について」
たとえば、シングルマザーが子ども2人を扶養しており、所得条件から「全額支給」で受けられる場合、受け取れる手当金は5万3,350円(4万3,160円+1万190円)になります。
支給日
児童扶養手当は、年6回奇数月(1月、3月、5月、7月、9月、11月)に、前々月と前月の2か月分の合計額を受け取ることができます。支給日は原則として毎回11日で、11日が土日・祝日の場合は直前の金融機関の営業日に指定した口座に振り込まれます。
参考までに、年間の受給スケジュールは以下の通りです。
支給日 |
支給対象となる月 |
1/11 |
11月分~12月分 |
3/11 |
1月分~2月分 |
5/11 |
3月分~4月分 |
7/11 |
5月分~6月分 |
9/11 |
7月分~8月分 |
11/11 |
9月分~10月分 |
参考:大阪市「児童扶養手当」
母子家庭対象の住宅手当が受けられる自治体は?
母子家庭(シングルマザー)が利用できる住宅手当は、各自治体が独自に行っているもので、制度を取り入れている自治体もあれば取り入れていない自治体もあります。そのため、自分の住んでいる自治体で住宅手当が受けられるかどうかは窓口で確認する必要があります。
また、住宅手当を支給している自治体によって制度名や手当金額、支給要件などが異なりますので、制度の有無と同時に内容についても併せて確認してください。
ひとり親世帯向けの住宅手当制度がある自治体
このように、自治体によって住宅手当の内容が異なりますので、詳細は各自治体の窓口で確認してください。
ひとり親の手当金や助成金は自治体で異なる
ひとり親が公的な制度から受けられる手当金や助成金にはさまざまなものがあります。所得などの要件を満たせば受給できるものもあれば、自治体により取扱いの異なるものもあるため、詳しい内容については各自治体の担当窓口で確認してみましょう。
住んでいる自治体のひとり親サポート制度について、常に情報をキャッチするようにしましょう。