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INITIATIVE「自分のキャリアは自分で創る」WEBマガジン

イベント 2023.06.23 メタバース・Web3はウェルビーイング・ヘルスケアをどう変えるか!?第2回Web3シンポジウムを開催

株式会社パソナグループは4月10日、メタバース・Web3を活用したウェルビーイング・ヘルスケア領域の取り組みをテーマに、『未来を「議論」する Web3シンポジウム ~ウェルビーイング・ヘルスケア~』を、リアルとオンラインによるハイブリッドで開催しました。
(※パソナグループが参画する「TEAM EXPO 2025」プログラムの一環として実施)

当日は「共創・イノベーション」「ウェルビーイング・ヘルスケア」をテーマに、各領域の最前線で活躍する方々をお招きし、「いのち輝く未来社会のデザイン」に向けて新しい技術をどのように活用・社会実装していくべきか等について、パネルディスカッションが行われました。


第1部:大阪・関西万博を契機としたイノベーションと共創の可能性

<モデレーター・登壇者>
SUNDRED株式会社 代表取締役 留目真伸 氏
株式会社トータルブレインケア 代表取締役社長 河越眞介 氏
日本国際博覧会協会 機運醸成局 深澤一宏 氏


Q1.大阪・関西万博を契機に、『共創』のあり方はどのように変化していくのでしょうか。
留目氏:
今回のテーマでもある「ウェルビーイング」とは、一人ひとりの幸せや多様な社会といった単位での幸せをどのように実現していくのか、ということだと考えています。
企業によるトップダウンによって一人ひとりの幸せを実現することは難しいと考えられており、社会の様々な単位の中で、目的や課題を設定し、そこに対して企業のアセットをどのように利用していくのかという、『共創』のあり方が求められるでしょう。

河越氏:
ヘルスケアという領域において、ベンチャーのみで全体を網羅する仕組みを提供することは難しいですが、それぞれの課題に対して大学や自治体と協力しながら深掘りを行い、一つひとつのパーツを作っていくことはできます。しかし、ヘルスケアの商品・サービスはパーツだけでは提供できないため、今後、それぞれのパーツを有機的に結び付ける仕組みとして『共創』が重要になっていくと思われます。

深澤氏:
今までは企業・組織・団体が『共創』の単位となっていましたが、それらの単位を飛び越えて、よりミニマムな個人同士、企業のチーム同士などによる共創も作り出すことができれば、大阪・関西万博の存在意義もより一層大きくなると考えています。
また、大阪・関西万博をきっかけとして『共創』の機運がより高まっていくのではないかという大きな期待も持っています。
「TEAM EXPO 2025」の中には、『共創』による取り組みを目指す企業や学生団体など様々な方がいらっしゃいますので、大阪・関西万博が皆様の飛躍のきっかけとなればよいと考えています。


Q2.ウェルビーイング・ヘルスケア領域における、イノベーション・共創の課題点とは何だと思われますか。
留目氏:
20世紀型の価値観が今、大きくシフトしています。効率重視の既存の価値観に縛られてしまうと、創りたい未来の話ではなく、目先の話に終始してしまう。だからこそ、これから大阪・関西万博やTEAM EXPO 2025をきっかけに、対話をする・共感するといった考え方がスタンダードになっていくと考えられます。

河越氏:
ウェルビーイングを実現するためには、自分が幸せであるか、より良い自分になれているのかという指標が必要ですが、既存のバイタルデータではまだそれらを測りきれないと思われます。現在はDXを通してデータを取り込むことの障壁も下がりつつありますので、「まずはやってみよう」というベンチャー精神のもとで、これらのデータを利用した『共創』の取り組みを進めていくことが、課題解決のための一歩になると考えています。

深澤氏:
ウェルビーイングは非常に幅が広く、また人それぞれ捉え方が異なります。今までにはなかった業界・業種を超えた繋がりやコラボレーションを通して、議論を重ね、仮説を立てるという流れを繰り返すことで、この領域に関する考えを深めることができると考えています。
また、こうした繋がり・コラボレーションを生み出すために、大阪・関西万博を有効活用できればと思います。



第二部:「未来の市場を作る次世代テクノロジーで、ウェルビーイング、ヘルスケアの新たなビジネスチャンスを探る」

<モデレーター>
株式会社パソナ メディカル健康経営本部 稲垣 美沙

<登壇者>
中外製薬株式会社 デジタルトランスフォーメーションユニット デジタル戦略推進部 企画グループ グループマネージャー 関沢 太郎 氏
株式会社MAI JAPAN CEO 平岩 祐太 氏
株式会社Vitaars チーフメディカルオフィサー(CMO)/国際事業部長 鴻池 善彦 氏
順天堂大学 大学院医学研究科AIインキュベーションファーム副センター長・眼科学 准教授 猪俣 武範 氏


Q1.テクノロジーによって、今後のウェルビーイング・ヘルスケア領域はどのように変化していくのでしょうか。
関沢様:
これからはデータの重要性がより増していき、データを活用した予防や超早期診断などによるアプローチも可能になってくると思います。それらにより、患者さんの治療だけでなく、ライフタイム全般を通じたQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)を向上させる世界が実現されていくのではないかと思われます。また、Web3やDAO(分散型自律組織)といった考え方が広まることで、これまでのSNSのような繋がりとは違った有機的な繋がりが生まれてくると考えられます。

平岩様:
メタバースのようなテクノロジーを利用することで、一人ひとりの生まれた国や地域などを起因とする医療や教育の地域格差を無くすことができるのではないかと考えています。これらのテクノロジーは、まだ十分には利用されていないというのが現状だと感じているので、色々な取り組みを通して、メタバースの本当の便利さを届けていきたいと考えています。

鴻池様:

現在、都市部と地方では受けられる医療に大きな隔たりがあるという課題がある中で、今後、ICTの活用により遠隔医療が推進され、どこにいても必要な医療が受けられる環境が生まれてくるでしょう。また、AIを利用した診療補助などもすでに開発が進んでおり、タスクシフト・タスクシェアの推進によって業務負担を軽減する等、医療スタッフの働き方改革なども実現されるのではないかと考えています。

猪俣様:
ヒト中心の医療と日常行動のデータなどを基にした診療が実現していくと考えています。病院に行かずとも診療を受けることができたり、日々の運動やバイタルデータなどからその人を形作るデータを集め、AIを活用することで予測医療や個別化医療などが実現でき、患者様自身が医療に参加する「参加型医療」が実現される世界になると思っています。
 



Q2.テクノロジーを活用したビジネスを進めるうえで重要なことは何でしょうか。

関沢様:
様々な規制があるヘルスケア業界だからこそ、新しいテクノロジーを活用した事例を作り、世の中に発信しつつ、そのユースケースを活用した議論を行うことが重要だと考えています。テクノロジーだけでなく、テクノロジーを導入する現場のニーズが何なのかを考えていくことが重要です。

平岩様:
シンプルにすることが重要だと考えています。メタバースやVRは一般の方からも高い評価をいただくことが多いですが、実際に始めるとなるとハードルが高いと感じられることも多いです。そのため、気軽に触ってもらえるようなシンプルさが必要だと感じています。

鴻池様:
病院側(現場)の理解も重要だと考えています。実際に顔を合わせて話し合うことも大切なプロセスであり、バーチャルかリアルかどちら一方が優れているという話ではないと考えています。私たちは、新しいテクノロジーの導入が目的ではなく、それを通じてどのようなメリットが生まれるのかを医療現場の皆様に理解していただきやすいような支援やサポートの提供が重要だと考えています。
現場が新しいテクノロジーを学ぶ機会や時間、サポートの提供を社会全体で進めていくことで、新たなビジネスも広がっていくのではないかと考えています。

猪俣様:
テクノロジーは一般的な病気だけでなく、「希少疾患」など様々な分野にアプローチできるため、どの分野に焦点を当ててビジネスを作っていくのかが重要だと考えています。また、異なる分野の連携も非常に重要だと考えています。医療従事者だけでなく、様々な分野の人々と議論を重ねることがイノベーションを生み出す方法ではないかと考えています。
 

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