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HR 2018.08.21 「同一労働同一賃金」の均等・均衡待遇に向けた人事施策とは

文:株式会社ベネフィット・ワン 代表取締役社長 白石 徳生

「働き方」を変える2つの出来事


2018年6月はこれからの働き方を考えるうえで、大きな出来事が2つありました。

1つは、「働き方改革関連法」の成立です。
「働き方改革」は、労働力人口が減少していく中で、女性やシニアなどより多くの人材がそれぞれの事情に応じた多様な働き方で活躍することができ、より高い生産性で効率的に働ける環境を整備するため、2年ほど前から国の重点政策の一つとして掲げられてきました。

その柱の1つが「同一労働同一賃金」の導入で、いわゆる正規社員と非正規社員の間の不合理な待遇格差を是正していこうというものです。

 具体的には、労働契約法、パートタイム労働法、労働者派遣法が改正され、職務の内容や責任の程度、異動・転勤の有無などを踏まえ、賃金だけではなく福利厚生、教育研修等も含めて待遇を均等・均衡にするという内容が規定されました。

もう1つは、有期雇用社員と無期雇用社員の間で各種手当の差があることが、労働契約法第20条が禁止する「不合理な労働条件」であると訴えた2件の訴訟(契約社員と正社員、定年後再雇用社員〔嘱託社員〕と正社員)において、それぞれ最高裁判決が出たことです。

判決から読み取れることは、いわゆる正規社員と非正規社員との間での手当の格差等について、合理性の有無が具体的に示されたことです。
判決のケースでは、例えば住宅手当は転勤があり住宅負担がかさむため正社員のみへの支給に合理性があると判断された一方で、給食手当、精勤手当、通勤交通費等の格差は不合理であると判断されました。


企業人事の抱える課題


こうした動きを受けて、現在、企業人事は3つの課題に直面しています。

1つは、働き方改革関連法への対応です。
同一労働同一賃金に関する改正部分が施行される2020年4月(中小企業に対しては21年4月)に向けて、多くの企業で既存の人事制度の見直しが必要となるでしょう。

2つ目の課題は、昨今の人手不足です。
特にサービス業、流通・小売業などのパート・アルバイトを多く採用する業界では、深刻な採用難に直面しています。待遇改善も含めた様々な施策により、企業の魅力を向上させる努力が不可欠です。

3つ目は、今年6月の最高裁判決です。
これは、既存の労働契約法に関する内容が争われた事案であり、企業は早急な対応が求められます。最高裁判決により判断枠組みが示されたことで、社内制度を見直す際のポイントも明確になりました。

処遇改善に向けて福利厚生の充実を


こうした現状を受けて、現在当社には企業からの福利厚生サービスに関する問い合わせが急増しています。「同一労働同一賃金」を実現していくうえで、福利厚生の見直しを行う企業が増えているためです。

このたびの法改正では、不合理な待遇格差が明確にされました。この場合の待遇とは、基本給だけではなく、各種手当や福利厚生なども含めた総合的なものです。
そもそも法定外福利厚生は、従業員の満足度・定着率の向上、労働生産性や働きやすさの向上を目的とするものであり、正社員のみに提供する合理性はあるのか、企業は自社の状況に照らして再検討する必要があります。福利厚生も含めた待遇の総合的な見直しが求められているのです。



「処遇改善をしたい。でも、原資がない」
そのような悩みを抱える企業人事の方は多いことでしょう。そうした課題に対して、ベネフィット・ワンでは、主に3つのご提案をしています。

1つは、福利厚生パッケージ「ベネフィット・ステーション」の導入です。
低コストでの導入が可能であり、10万人の会社でも10人の会社でも、同じクオリティの福利厚生メニューを受けることができます。非常に有効な手段の一つとしておすすめしています。

原資に対する考え方としては、福利厚生を向上させることで、定着率が向上し、採用・初期教育コストの削減を図ることによって費用を捻出しようという会社もあります。

大手コールセンター会社では3万人の社員に福利厚生パッケージを導入したことで、社員の定着率が上がり、毎年1万人に上る退職者を抑制することができました。これによりさらなる処遇改善への原資の捻出が可能になりました。

2つ目は、「共済会」を利用する方法です。
社員共済会は従業員の給与天引きで、会社と従業員の折半負担が原則です。待遇改善を行う場合でも、半分の負担で済みます。

これまで正社員のみの共済会があった場合は、非正規社員も含めた全従業員に対象を広げる、また現状で共済会自体がなければ、全従業員を対象にした共済会を新たに設立するなどの方法があります。
ベネフィット・ワンでは、共済会の設立コンサルティングや加入範囲拡大の規定見直しのサポートなどを行っています。

3つ目は、「選択制の企業年金」の導入です。
希望者だけが入る確定給付企業年金の対象を、正社員だけではなく全従業員に広げる方法です。当然本人による選択制になりますが、給与の一部を掛け金に回すことで、本人は給与の額面が減った分、税金や社会保険料が軽減し、社会保険料の会社負担も軽減します。

例えば現在の税率では、現金給与が1万円減ると、企業の負担する社会保険・労働保険料などが1,500円程度軽減します。そのお金を原資にしてベネフィット・ステーションに加入するなど、福利厚生を充実させることも可能になります。まさに一石二鳥の手段と言えます。


多様な働き方と生産性向上に貢献する企業へ


ベネフィット・ワンは企業規模の大小にかかわらず、働く人々がイキイキと活躍できる環境をつくるため、企業間の福利厚生格差の是正を目指して立ち上げた会社です。

10人の会社でも10万人の会社でも同じ充実した福利厚生が受けられるようにしたい、そのような想いで福利厚生サービスを提供し、現在743万人もの人々に加入いただいています。

しかし、残念ながらこれまで企業によっては、特にパート・アルバイトの福利厚生まで配慮することができなかった企業があるのも事実です。働くすべての人に、同じ福利厚生を提供したいという我々の想いを、いま社会環境が後押ししています。

最近では、大手通信会社が18万人の従業員にベネフィット・ステーションを導入したり、大手コーヒーチェーンが確定給付企業年金を導入し、パート・アルバイトの約7割が加入したという事例もあります。

私たちはこれからも、多様な働き方をする人々がその能力を最大限に発揮できる環境をつくるため、その活躍を支える企業の取り組みを福利厚生という側面から力強くサポートしてまいります。

(2018年7月発行「HR VISION Vol.19」より)
 

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