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INITIATIVE「自分のキャリアは自分で創る」WEBマガジン

ひと 2026.07.08

農と自然を、暮らしや価値観の変化につなげたい

家族で淡路島に移住して6年。パソナグループで勤務するご主人と、3歳と8歳のお子さんと淡路島で暮らす神 智実(じん ともみ)さんは、パソナ農援隊のAwaji Nature Lab&Resort事業部で、農業関係人口を増やす様々な取り組みを行っています。自然に囲まれた中で、目の前で採れた新鮮な野菜料理を提供する農家レストラン「陽・燦燦(はるさんさん)」の運営や、日本有数の建築家が個々に設計した11棟からなる農体験付き滞在施設「はたけのリゾート 燦燦Villa(さんさんヴィラ)」の全体統括、またパソナ農援隊の兄弟会社「Awaji Nature Farm『陽・燦燦ワイナリー』」で、有機栽培のナチュールワイン事業にも携わっています。



淡路島で暮らすということ

―淡路島への移住が2020年。パソナグループが本社・本部機能の一部移転を発表した直後でした。
新卒から15年ほど東京で働いていました。東京は、空が四角く夜も明るいし、無機質でせかせかしていて。便利ではありますが、私は青森出身で、子供の頃から自然の中で田や畑に囲まれて暮らしていたので、そうした環境での子育てに違和感がありました。
ちょうどコロナ禍だったこともあり、自然の中で暮らそうと、思い切って家族で移住することにしました。会社は淡路島の地方創生事業に力を入れていましたし、オンラインでも仕事はできるし、それに夫婦ともに淡路島には、何度も仕事で足を運んでいたので、何より生活のイメージがつきやすかったですね。
 


移住してすぐ、「私の望んでいた暮らしはこれだ!」と思いました。ホッとする安心感があって、居心地はいいし、“自分らしい暮らし方”ということはこういうことだなと改めて感じながら、移住のチャンスをくれた会社に感謝しました。
私が今いるこの場所は、朝陽も夕陽も見える本当に素晴らしい場所です。春には春の匂いがして、こぶしの花が咲いて、つくしが出て。雨や土の匂いを感じられるそんな中で暮らしたかったので、本当に大満足です。

―入社のきっかけは何ですか。
中学生の時に京都議定書が採択されたのをニュースで見ました。専門家がどんなに「地球環境が危ない」と繰り返し言っても、その危機感はなかなか伝わりません。民間レベルで人々に知ってもらえるような仕事や地域づくりに携わりたいと思いました。
秋田大学工学資源学部土木環境工学科に進学し、自然環境や社会環境に配慮した地域環境にするための技術を学び、卒業したら仙台の住宅メーカーに就職する予定でした。

ところが卒業が近くなった頃、秋田大学の客員教授として講演をする、南部靖之ファウンダーにお目にかかりました。「色々なことをやっている面白い会社だな」と興味を持ち、この会社なら自分が地元や地域で貢献できるかもしれないと思って入社しました。

一つひとつの経験が、今の私につながる

―入社後のキャリアについて教えてください。
2005年に入社して、東京・大手町の本社の人材派遣の営業部に配属されました。3年目には農業プロジェクトチームに異動。その後は、特許庁審査の事前調査を行う「ナレッジバンク」というプロジェクトに入ると、事業は大きく成長しました。事業計画作りや官庁との交渉など、あらゆることが学びとなる時間でした。2017年に長女を出産し、その育休中にお声がけをいただき、2019年に現在所属するパソナ農援隊の業務部長として東京で復職。2020年9月に、夫と当時2歳の娘と淡路島へ移住しました。



―淡路島でのお仕事は、どのように始まったのですか。
最初は管理部門で、その後、農家レストラン「陽・燦燦」の建築プロジェクトを施工から担当しました。元々すごく好きだった土木や建築に携われて、しかもプリツカー賞受賞の世界的建築家 坂茂先生と一緒にお仕事をさせていただけるなんて、びっくりでした。それからAwaji Nature Lab&Resortの立ち上げ責任者となり、農業振興地での滞在施設ということで、農地法など10以上の法律が関わるので常に色々なことを学び、また地域住民の方と深く接しながら進めました。
その間2人目の出産で不在の時期もありましたが、「はたけのリゾート 燦燦Villa」も完成しました。その他、私たちの事業として、パソナグループが運営するレストランの食品残渣を回収して堆肥化する、循環型農業の推進も行っています。

ようやくこれまでの取り組みが形になってきましたが、ほかにもやりたいことがたくさんあります。仲間と共にそれをどう実現していくか、まだまだこれからです。



自分のできることを最大限に

―今後の目標をお聞かせください。
日本全国、地域の農業における課題は共通しています。たくさんのハードルがありますが、淡路島で一つのモデルを作り上げることで、日本全体の農業を強くしていきたいと思っています。時代が変化を続ける中、農業関係人口を増やすこと、また訪れて下さった方々の心を動かし、日常の変化へと繋げることが私たちの使命です。
私自身も、素晴らしいこの土地を守ってきた方々に感謝しながら次世代へと繋ぎ、少しでも貢献できるよう、生涯かけてしっかり関わっていきたいと考えています。



―これまでの経験のすべてが今のためにあるという気がします。

自分のやりたいことや目標があるならそれを根底に置きながら、常に、自分に何ができるかということを考え、今できることを精一杯やっていく。その結果として、こうして仲間や仕事に恵まれるということを、若者たちにも伝えたいです。

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