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新丸ビルオフィスが「ISO 14001」 認証を取得!その舞台裏に迫る!

パソナグループは、政府主導の「チーム・マイナス6%」プロジェクトが開始された2005年より、「環境委員会」を設置し、次世代に健全で美しい地球を残すため、様々な環境保全活動を行ってきました。現在は「環境経営戦略会議」「環境マネジメント推進委員会」のもと、グループ全社でCO₂排出量の削減や環境保全に向けて様々な取り組みを行っています。

そして今年4月、「株式会社パソナ」の本社である新丸の内ビルディング14Fオフィスにおいて、環境マネジメントシステムの国際規格「ISO14001:2015」認証を取得しました!

今回の「SONAERU」では、「そもそも環境マネジメントシステムとは?」「ISOって何?」といった疑問から認証取得の背景、新丸ビルの取り組みについてなど、新丸ビルに勤務するパソナ 専務執行役員 キャリアアセット事業本部長 西谷誠さんと、パソナグループ コーポレートガバナンス企画室長でパソナグループ 環境マネジメント推進委員会メンバーでもある村上いずみさんへのインタビューとともにご紹介します!

(※)「環境経営」を推進する組織のご紹介記事はこちらからご覧いただけます。

■「環境マネジメントシステムの国際規格認証取得」とは?


▲パソナグループ 村上いずみ 室長

Q.そもそも、環境マネジメントシステム「ISO 14001」とは何ですか?

村上(敬称略、以下同):
「ISO」とは、「国際標準化機構( International Organization for Standardization)」という国際的に通用する規格を制定する団体で、本部をスイスのジュネーブに置いている非営利の組織です。その規格のひとつである「ISO14001」は、環境マネジメンメントシステム(EMS:Environmental Management System) に関する国際規格。簡単に言うと、企業活動において、環境にとって良い要素は伸ばし、悪い要素は低減・改善していく仕組みを作り、PDCAサイクルで継続的に運用していきましょうというものです。

1980年代後半から環境問題が地球規模の課題となる中、1992年に初の地球サミットが開催され、地球上の自然を保全しつつ経済成長を可能とする、持続可能な発展の重要性が広く認識されるようになりました。そのような背景のなか、環境管理の有効な手段として、環境マネジメントシステムに関する国際標準規格の必要性が高まり、企業などの組織の自主的な環境保全への取り組みを促進する目的で、「ISO14001(環境マネジメントシステム規格)」が1996年に誕生しました。

Q.今回、パソナの本社オフィス(新丸ビル14F)で「ISO14001」を取得した背景を教えてください

村上:
パソナグループは2005年に「環境委員会」が発足し、環境に対する活動を全国各地で行ってきています。ただ一方で、社内外にパソナグループの環境関連の取り組みを発信していく中で、取り組みの意義や社会的価値を客観的に示せるものが必要ではないか、ということになりました。
なぜ新丸ビルで取得したかというと、パソナグループの中核企業である「パソナ」の本社オフィスであることが理由です。また、事業上も多くのクライアントや再就職支援のご利用者の方、エキスパートスタッフの方など、たくさんの方々がいらっしゃる拠点でもあります。
この拠点で、グローバルに通用する規格である「ISO14001」の認証を取得しているということは、パソナグループとしての環境に取り組む姿勢を社内外に発信していくうえで、大きな意味があると考え、取得することになりました。


▲新丸オフィスの受付に掲示しているISO14001認証登録証

Q.取得によって、様々なポジティブな効果がありそうですね!

村上:
まずは、やはりパソナが新丸ビルで行っているエコアクションによって、環境に良い影響が期待されること。そして、ISOにより、それに継続的に取り組んでいくことが期待できること。あとは対外的に、第三者の機関から認証されている点で、クライアントやエキスパートスタッフの皆さん、従業員の皆さんへの信頼向上へつながると考えます。

■新丸ビルオフィスでの取り組みとは?


▲パソナ 西谷誠 専務執行役員

Q.今回「ISO14001」の取得を目指すと聞いたとき、どのような思いでしたか。

西谷:
パソナHRソリューションの石田正則会長(パソナグループ 環境マネジメント推進委員会 CO2可視化・削減チームリーダー)から「新丸ビルでISO14001を取得したい」とご連絡をいただいたときは、「えぇ、本当ですか…!?」と思ったのが正直なところです。というのも、私はパソナに転職する前は部品メーカーで勤務しており、そこで当時「ISO14001」の認証取得に携わったのですが、とても大変だった記憶が蘇ってきたのです。(笑)

前職では人事部門が長かったのですが、2001年にパソナに転職する前の3年間くらいは事業部で管理責任者をやっており、そこでは「ISO9001」(品質マネジメントシステムに関する国際規格)を取得していました。「ISO9001」の次に「ISO14001」も取得しようということになり、全社的に取得しました。
今から20年ほど前の、その当時の活動の記憶があまりにも大変で(笑)、それをパソナでやるということが全くイメージできなかったのです。

当時の「ISO14001」は、とにかく「環境負荷を下げましょう」ということで、電球を間引いて電力消費量を下げるなど、いかに使用するエネルギーを減らすかが重要でした。その次は「紙」で、印刷物をどれだけ減らすか。毎年、「その目標に対して環境負荷を下げていく」というのが「ISO 14001」の活動でした。電力も紙も、使用量を決してゼロにはできないので、いつか絶対に行き詰まる…という状態の中でやっていたのです。

Q.約20年前と今回のISO14001の認証取得では何か違いを感じられましたか

西谷:
全然違うと感じました。当時は「どれだけエネルギーを減らすか」というのか一番大事な要求事項でしたが、いまは「環境活動のPDCAサイクル」を可視化するように変わっています。そのことを知ってから、「これなら取得できる!」と思いました。約20年間で環境に対する考え方がこれほど変わったのかと感じました。
今回、ISO14001を取得することで、パソナの環境活動への取り組みを明確に世の中に発信できるようになりますし、それを新丸オフィスで取り組めるということは非常に光栄なことでもあると感じ、「是非やりましょう!」となりました。

Q.新丸オフィスでの環境への取り組みについて教えてください

西谷:
新丸ビルオフィスでは長年にわたり、コンタクトレンズ空ケースのリサイクルBOXの設置やエコキャップ回収などの環境活動を、「普通のこと」としてやってきていました。現在はISO認証取得に伴い、それらの活動に加えて、新丸ビル周辺の清掃イベントに注力しています。
オフィス周辺の清掃活動は、全国各地のパソナグループの事業所でも行っていますよね。私たちの中では以前から「当たり前」に行っていることですが、当たり前にやっている活動を「計画的」に実行していこうとしています。単発のイベントとして行うのではなく、地道に「継続的」に計画し、途切れずに実施をしていくことが重要だと思っています。


▲エコキャップ回収


▲4月に行われた新丸ビル周辺の清掃イベントに100人以上の社員が参加

Q.西谷専務が今感じる課題や今後取り組みたいことはありますか。

課題はないです!というのは、PDCAサイクルを回していけば、必ず「もっとこうしよう」「もっと良くしよう」といった改善事項が出てきますよね。それを「課題」と思うと、「負担」になると思うのです。
朝からみんなで東京駅前を清掃して爽やかな気持ちになる―。そういう活動が増えていけば良いなと思っています。そういった参加を楽しめる仕掛けを、事務局のメンバーとも一緒に考えながらやっていきたいなと思います。

■「ISO14001」の審査で感じたポイント

Q.「ISO14001」の審査では、どのようなことが求められるのですか?

村上:
まず、PDCAサイクルを回せるように、運用ルールをまとめた環境マニュアルの作成が求められます。
次に、組織にとって環境側面において取り組むべきことは何かを検討したうえで、環境アクション(内容・計画・目標の立案)を決定する必要があります。更に、実施したことや、社内に情報発信した内容、従業員への環境教育の内容について、記録として残し、結果検証が行われている必要があります。そして、これらのPDCAサイクルがきちんと回っているのか、内部監査で点検されていることも審査内容に含まれます。
また、大前提として、そうしたことトップリーダーが語れるかという観点も重視されていて、実際に審査の中でもリーダーへのインタビューがあり、西谷専務に対応していただきました。パソナの理念や事業内容に関連して、本社オフィスでなぜこうした環境への取り組みを行っているかなど、リーダーが認識していること、それをどのように発信しているのかという点も見られました。

西谷:
審査員の方々は「継続的に活動が続けられるか」という視点で、マネジメントシステムの認証を与えて良いか見られていると感じました。会社の事業活動と環境活動が一体化していないと、やはりどこかで止まってしまいます。事業の継続性とこの環境活動というのは非常に密接なのだということをしっかり伝えていかなければなりません。また、継続的な改善は、ISOのPDCAサイクルの基本なので、「現状には満足していない」というところもしっかり伝えていくことが重要かなと思いました。

つまり、大きな目標を掲げて認証を取得するのではなく、日々コツコツと続けられる目標を立てて、その目標をしっかり実行できているかどうか。個人の考えではなく、マニュアルに定められたルールに則って活動が行えているか。
それができると、例えば、新丸オフィスで働いている人たちが、来年全員入れ替わったとしても、今の事務局メンバーが総替えになっても、組織としての環境活動をきちんと担保できるということなのです。そういったところが国際基準のポイントであり、審査員の方は見られていると感じました。

■新丸ビルから環境活動の輪を広げたい

Q.今後期待することを教えてください!

西谷:
一人ひとりの社員が、新丸ビルオフィスで働く期間は、色々な人事異動などもあるため限られるかもしれません。しかし、新丸ビルで環境活動に参加した経験を持っている人たちが、また新たな事業所、新たな勤務地で働くことによって、ここで得た経験や知識を、全国あるいはグローバルのパソナグループ各社のオフィスに広めていってくれたらいいなと思っています。
この新丸ビルを中心に、どんどん環境活動の輪をグループ全体に広めていければと思います。


▼パソナ 環境マネジメントシステム『ISO 14001:2015』 認証取得のニュースリリースはこちら
https://pasonagroup.co.jp/news/index112.html?itemid=5079&dispmid=798


配信日:2024年6月27日