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HR 2017.04.14 労働者派遣法「事業所単位の期間制限」の延長手続きにおける注意ポイント

文:株式会社パソナグループ コンプライアンス室 マネージャー 酒井信幸

2015年の改正労働者派遣法では、派遣受入期間の制限が「個人単位の期間制限」と「事業所単位の期間制限」の2つに見直しがされました。
このうち「事業所単位の期間制限」では、労働者派遣を受け入れる派遣先が同一の事業所で3年を超える期間継続して労働者派遣を受け入れる場合、期間制限抵触日の1か月前迄に事業所の労働者の過半数で組織する労働組合(以下、「過半数労働組合」)か、過半数労働組合が無い場合は事業所の労働者の過半数を代表する者(以下、「労働者過半数代表」)への意見聴取等の手続きが必要となり、多くの派遣先では特に2018年頃からこの対応が求められることになります。

手続きに不備があった場合は労働者派遣法第40条の2第4項で定められた「期間制限延長の手続き」を実施したことにならないため、継続して労働者派遣を受入れると期間制限違反となる可能性があります。今回は、この事業所単位の期間制限の延長手続きをする前に特に確認をしておきたいチェックポイントを3つご紹介します。



1.「事業所の単位」の再確認


手続きを実施するにあたって予め確認をしておきたいのが「事業所の単位」です。

労働者派遣受入の「事業所」は「雇用保険法等雇用関係法令における概念と同様」(労働者派遣事業関係業務取扱要領 第8 5(3)ハ)と示されており、「雇用保険の適用事業と同一」と位置づけられています。
したがって、仮に本社等が「労働保険の継続事業の一括手続き」をしている場合に、一括される支店や営業所についてはそれぞれが労働者派遣法上の事業所単位と判断されます。「支店や営業所ごとの複数の保険関係を本社等の1つの事業でまとめて処理をすることとしても雇用保険の適用事業所単位に変更があるわけではない」(厚生労働省 改正労働者派遣法に関するQ&A[第3集]より)ためです。

労働保険の継続事業の一括手続きを本社等でしているからといって、支店や営業所を包括して一つの事業所であると解釈してしまい、本社等の一括手続きを行った事業所だけで労働者派遣の継続受入に係る意見聴取をした場合、継続して労働者派遣を受け入れていくと期間制限違反となる恐れがあります。
その結果、「労働契約申込みみなし制度」の適用を受ける可能性があるため注意が必要です。

「事業所単位の期間制限」の延長手続きの前に、正しい「事業所の単位」をご確認ください。



2.適切な「労働者過半数代表」の選出


前述のとおり、「事業所単位の期間制限」の延長に必要な意見聴取は、事業所に過半数労働組合が無い場合は、「労働者過半数代表」に対して実施しますが、その選出は適切に行う必要があります。

労働者過半数代表は以下のいずれにも該当する者とされています(労働者派遣法施行規則第33条の3第2項)。

(1) 労働基準法上のいわゆる「管理監督者」ではない者
(2) 事業所単位の期間制限の延長の意見聴取される者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の民主的な方法による手続により選出された者
※(1)に該当する労働者がいない場合は(2)のみ満たしていれば可

特に(2)に留意が必要で、投票等の際に選出目的を明らかにしなかったり、投票、挙手等の民主的手続きを経ていない場合は、適切に労働者過半数代表が選出されていないことになります。この場合、意見聴取を行ったとしても、継続して労働者派遣を受け入れると期間制限違反となる恐れがあります。

3.意見聴取にあたっての書面、資料の整備


「事業所単位の期間制限」の延長のために、過半数労働組合または労働者過半数代表(以下総称して「過半数労働組合等」)への意見聴取に際しては、以下(1)~(4)の書面と資料を整備する必要があり、特に(3)(4)については書面の内容の事業所内での周知、及び、延長前の派遣可能期間が経過してから3年間保存することが義務付けられています。
 
(1) 意見聴取をするにあたっての過半数労働組合等への通知書面(労働者派遣法施行規則33条の3第1項)
(2) 過半数労働組合等が意見を述べるに当たり参考となる資料(派遣先が講ずべき措置に関する指針 第2 15 (1))
(3) 過半数労働組合等に意見を聴いた事項の書面(労働者派遣法施行規則第33条の3第3項)
(4) 過半数労働組合等が異議を述べたときの延長の理由等の事項についての書面(労働者派遣法施行規則第33条の4第1項,第2項)

(1)~(4)の書面及び資料に記載すべき内容や周知の方法については、以下URLの「最新の労働者派遣法30のルール」Q26をご確認ください。
https://www.pasona.co.jp/clients/hr_library/rules.html



まとめ


以上が、「事業所単位の期間制限」の延長手続きにおける注意ポイントです。
派遣労働者を受け入れる企業が過半数労働組合等に意見聴取をする際に注意すべきポイントは多く、予め行うべき事項を整理したうえで、意見聴取をされることをお勧めいたします。

また、ここまでの文中で登場した「個人単位の期間制限」「事業所単位の期間制限」「労働契約申し込みみなし制度」についても「最新の労働者派遣法30のルール」Q19、21~24で説明をしておりますので、必要に応じてご確認いただければ幸いです。
https://www.pasona.co.jp/clients/hr_library/rules.html

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