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INITIATIVE「自分のキャリアは自分で創る」WEBマガジン

ひと 2020.08.18 日本の伝統文化「日本酒の古酒」を世界へ広げる

文:INITIATIVE編集部

全国の職人や生産者など、日本のものづくり市場の新たな販路機会の創出をプロデュースする、パソナグループの「株式会社匠創生」は今年6月、全国の酒蔵に眠る日本酒・焼酎・泡盛・梅酒の古酒を掘り起こし、それぞれの個性を飲み比べて楽しむ古酒のプレミアムギフトセット『古昔の美酒(いにしえのびしゅ)』の販売を開始しました。

<販売サイトはこちら> https://oldvintage.jp/

「伝統文化産業の問題点を解決する」をミッションとする匠創生は、なぜ古酒を販売するのか―、代表取締役社長 安村亮彦に、古酒への想いや商品のこだわりを聞いてみました。


日本酒の知られざる魅力を社会に発信するため、未開の地に挑む


― そもそも、どうして「古酒」を販売しようと思ったのでしょうか。

株式会社匠創生は、伝統工芸の職人や作家の支援事業を手掛ける会社として2017年5月に設立しました。全国の職人や作家には、「後継者不足」「販路開拓」という大きな課題があり、それを解決するために、匠創生が職人・作家の東京営業所として販路を創出する事業に取り組んできました。その中で、工芸品の魅力を体感してもらうために、匠創生が運営する日本の珍しいお酒を集めた角打ちで、お酒を飲む器として工芸品を使っていました。

当時、日本酒の古酒も売っていたのですが、全く売れず…。お客様に聞いてみると、古酒そのものが知られていませんでした。
知られていないから飲まれていない―、それであれば古酒の認知を広めることでマーケットを創出できる可能性があると考え、日本の古酒を扱う事業を立ち上げました。同じお酒でも、テキーラやジン、ワインには「ビンテージ」という概念があります。それであれば、日本酒にも同じように可能性があると確信しています。



全国100か所の酒蔵を訪ね、生産者の想いを知り、届ける


― 日本酒の市場、そして古酒の現状はどのようになっているのでしょうか。

日本の酒蔵は年々減少しています。その理由として、日本人の日本酒離れや、営業・販路拡大に関わる人員不足という課題が挙げられます。中には、古酒を貯蔵している酒蔵もありますが、認知度の低い古酒をどのように販売したらいいか頭を悩ませているところも少なくありません。

そこで、私たちは生産者の抱える課題や日本酒に駆ける想いを直接聞くために、全国各地の酒蔵を訪ねて回りました。そして、長い年月、大切に貯蔵してきた古酒を安心して託して頂けるよう、匠創生が単なる酒屋ではなく、地方創生を目指している会社であること、そしてどれだけの想いを持って取り組んでいるのか、直接顔を見てお伝えしてきました。

これまで全国1000を超える酒蔵とコンタクトを取り、そのうち100か所の酒蔵を訪ねてきましたが、これからも現地に直接足を運び、生産者の皆様の想いを知り、消費者の方々に届けるためにも、生産者の方々と二人三脚で取り組んでいきたいと思います。

古酒だけのアピールをしない-。一風変わったイベントで古酒の印象を覆す試み


― これまで古酒の認知拡大のために、どのようなことに取り組まれたのでしょうか。

古酒の魅力を伝えるイベントが少ないのが現状です。そこで、今年のバレンタインの時期に、東京・大手町で『&古酒 2020Valentine』というイベントを開催しました。

意識したことは、「古酒だけのアピールの場にしないこと」。古酒好きの方だけが集まるイベントではなく、古酒を知らない人に知ってもらう、新規ファンを増やすためのイベントになるよう工夫しました。大手有名チョコメーカーにも賛同頂き、「古酒×チョコレート」という少し変わったテーマで、都内の働く女性をターゲットに開催しました。

その結果、これまで古酒だけでは認知を広げることができなかった、新しい客層の方が会場に足を運んでくださいました。「試飲はおちょこではなくワイングラスにする」「販売員もおしゃれでかっこいい制服を着る」など、よりライトに楽しんでいただけるよう工夫をしました。1日限定のイベントでしたが、500名の方にご参加頂くことができ、さらに初めて古酒に触れる方が多い中、9割以上の方が「美味しい」「香りがいい」など好意的な評価をしていただきました。

匠創生が全国各地を回り厳選した、こだわりのある本当に美味しい古酒、そして知られざる古酒の魅力と多種多様な古酒を知ってもらえるようにという想いを込め、一人ひとりの趣味嗜好に合わせた古酒が新規ファンの獲得につながりました。


▲イベントの様子(2020年2月)

古酒を日本、そして世界へ広めるために


― 今回、販売を開始した「古昔の美酒」について教えて下さい。

古酒と一言で言っても、実に多様なタイプがあります。和食に合う淡熟系のものもあれば、ナッツ、チーズ、ドライフルーツに合う中熟系、フォアグラやバニラアイスクリームなどに合う濃熟系など、幅広い楽しみ方があります。
その多様な古酒の魅力を知っていただくためには、1つの種類だけではなく、複数の種類を飲み比べてもらいたいと考え、複数本をセットにして販売する方法を選びました。

これが匠創生のこだわりである、バラエティ豊富な古酒です。私たちが直接足を運んだ全国各地の各地の酒蔵の中から、17府県の酒蔵に眠る日本酒30種、焼酎6種、泡盛1種、梅酒1種の熟成期間原則10年以上(Vintage1983~)の古酒38銘柄を厳選しました。
全てのセットにシリアルナンバーが付き、新たに生産することができない限定商品となっています。是非、大切な方への贈り物として、また大切な記念日や、自分へのご褒美など、様々な機会に味わって頂けると嬉しいです。

<販売サイトはこちら> https://oldvintage.jp/

また、国内外へのオンライン販売に加え、その味の違いを体験頂く場として、東京駅前にある直営店「Tasting Bar & Shop POPPING STAND (ポッピングスタンド)」では、『古昔の美酒』38銘柄のテイスティングと購入ができるようにしました。
併設のBarコーナーでは、ソムリエによる古酒の究極のペアリングメニューもお楽しみいただけます。都内の高級ホテルやレストランでの取り扱いも増えつつありますが、是非多くの方々に、古酒の魅力を知って頂き、古酒との一期一会を楽しんで頂ければ幸いです。



― 今後の匠創生のビジョンを教えてください。

匠創生のように、熟成期間原則10年以上の古酒を38銘柄も揃え、一つのブランドで商品展開をしているのは全国的に見ても珍しい取り組みです。
私たちは、日本の酒蔵を救うために、「日本のお酒の価値そのものを上げていかなければならない」、と使命感を持って挑戦しています。日本が誇る日本酒、焼酎、泡盛、梅酒の古酒を日本だけではなく、世界へ広げていくためにも、匠創生はこれからも古酒の市場創造のために歩みを止めることなく挑戦してまいります!

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