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HR 2016.07.27 なぜ今再びテレワークが注目されるのか?未来に向けた働き方変革のポイント<後編>

文:INITIATIVE(イニシアチブ)編集部

昨今、企業で注目が高まる在宅勤務などの「テレワーク」。今回は【前編】に引き続き、いま再びテレワークが注目されている背景や、導入によって多様な人材の能力を活かす組織へと変革するポイントについて、株式会社パソナ 営業総本部 リンクワークスタイル推進プロジェクトの湯田健一郎に聞きました。

【前編はこちら】



――前編では「第4次産業革命」による仕事内容の変化について見てきましたが、働き方も大きな変革が必要になりますね。

企業が働き方変革を考える前提として、あらためて社内外の人材活用のフレームワークを整理してみます。

従来はいわゆる総合職の正社員からなる「オーナーシップメンバー」が、事業成長にコミットして、組織成果の最大化を担ってきました。また、いわゆる一般職の社員や契約社員、派遣社員からなる「パートナーシップメンバー」が、プロジェクトや業務にコミットして、各々の専門性を発揮し個人成果の最大化を担っています。そして最近では、「雇用契約のないパートナー」として、個人事業主として働くプロフェッショナル人材に仕事を依頼するケースも増えてきています。



このように社内外の様々な人材が活躍する中で、メンバー間のコミュニケーションやコラボレーションの方法を構築していくことが、今後これまで以上に求められていくでしょう。
いま、シェアリングエコノミーが拡大し、パラレルワークや2拠点居住なども広がる中で、多様な人材を自社に惹きつけるためには、場所に関係なくメンバー同士が繋がって働く「リンクワークスタイル」の確立が鍵になると考えています。

――「リンクワークスタイル」とは何ですか? 

パソナでは、就業場所が離れていても、メンバー同士が繋がって(リンクして)働くという考えから「リンクワークスタイル」を提唱し、多様な人材が活躍できる環境の整備と労働生産性の向上をサポートしています。その代表例は、オフィスに出社しない働き方、いわゆるテレワークです。

テレワークには、家で働く「在宅勤務」がありますが、ほかにも移動中に働く「モバイルワーク」や、通常のオフィスとは離れた別の場所で働く「サテライトオフィス」などがあります。

そして在宅勤務にも、「終日在宅」と「部分在宅」があります。部分在宅とは一日の勤務時間のうち、一部を勤務先のオフィスや顧客などの外出先で、一部を自宅で勤務する働き方です。ICTの活用によって業務の一部を自宅でできるようになれば、朝早い時間に自宅で資料作成をし、午前中は子供の面倒を見て、午後からオフィスに出社するということもできます。
企業がテレワーク導入を考える際、終日在宅を前提にするとなかなか導入が難しいですが、部分在宅を取り入れることで、より多くの人材の能力を活かすことができるのではないでしょうか。



――企業や働く人にとって、テレワークにはどのようなメリットがあるのでしょうか?

テレワークは企業にとっても、働く人にとってもメリットが大きいと考えています。
企業にとっては育児や介護などにより優秀な人材が突発的に退職してしまうリスクを下げることができるほか、例えば社員が外出先や自宅でもリアルタイムで社内外とコンタクトが取れれば顧客満足度を上げることができます。

働く個人にとっても通勤時間が削減できることで家族と過ごす時間が増え、ワーク・ライフ・バランスが改善し、クオリティ・オブ・ライフ(生活の質)の向上に繋がります。また、例えば子供が熱を出して出社できないときも、自宅で業務を進められることでプロジェクトの進捗が遅れずにすむかもしれません。

――テレワーク導入のハードルと、その克服方法について聞かせてください。

導入に際して不安を抱えている企業は少なくないです。労務管理がきちんとできるか、業務成果をどう評価すべきか、本当に生産性が上がるのか、セキュリティは担保されるのか、社員がサボらないか(笑)などです。
また、制度としては設けられていても、社員に活用されていないケースも散見されます。

パソナでは「テレワークを取り込んだ業務フロー構築」「ICTツールの導入やセキュリティガイドライン作成支援」「社内制度構築」「管理者・ユーザーへの教育」など、テレワークの効果的な運用に向けた支援を行っています。



私は様々な企業を支援させていただいた経験から、一度にガラッとテレワーク導入に踏み切るのはハードルが高いと感じています。導入目的を明確に設定し、優先順位をつけて社内で展開していくことが大切です。
例えば「社員のクオリティ・オブ・ライフを上げる」とか「業務運営のやり方を変える」など、テーマを絞って一部の部署から取り組み、効果を検証して、上手くいけば全社に広げていくようなアプローチをとることがポイントです。

そして、どのような仕組みや制度を作ったとしても、それを活用する人材が活き活きと働き、高い成果を挙げられるものでなければ意味がありません。また同時に、全員に使い勝手が良い制度というのもなかなかあり得ない話です。まずは導入の目的を明確にして、会社として目指す働き方の未来像を、社員の方々に理解いただくことも重要です。

私たちパソナはこれからも、企業が時代の変化に対応し、多様な人材の能力を最大限に活かせるよう、お客様と共に歩みながらお手伝いをしていきたいと思います。

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