新玉ねぎが美味しい季節です。1年でこの時期しか楽しめないので、見て、触って、食べて新玉ねぎの魅力を感じてください。今回はお弁当にもお勧めの、お子様と作れる新玉ねぎレシピもご紹介します。野菜の観察や料理は受験勉強にも役立つので、楽しく親子で取り組めたらいいですね!
新玉ねぎと普通の玉ねぎ何が違う?
新玉ねぎも、通年出回っている茶色い玉ねぎも、元々は同じものです。どちらも収穫時期は春ですが、収穫後の処理に違いがあります。
通年出回っているものは、保存性を高めるために収穫後1ヶ月程度乾燥させてから出荷します。周りの茶色い皮がパリパリと乾燥しているのもそのためです。
一方、新玉ねぎはすぐに出荷するので水分を多く含みます。そのため皮は柔らかいです。生で食べても辛味は少なく、みずみずしい食感が楽しめます。加熱すると、短時間でとろりと柔らかく、甘くなります。
見て、触って、食べるとその違いは歴然です。ぜひ今、新玉ねぎの魅力を体感してください。
受験勉強にも役に立つ野菜の知識
野菜に関する知識は受験勉強でも役に立つので、料理をしながら楽しく学べるといいと思います。
例えば、野菜は植物のどの部分を食べているか、というのは中学受験でも必要な知識です。野菜の断面については、小学校受験では頻出の問題です。中学受験でも、慶應普通部で玉ねぎを横に切った場合と、縦に切った場合の断面を描く問題が出たことが話題になりました(なんと、カレーの作り方を選択肢で選ぶ問題も出ました)。
受験をお考えの方は、勉強が忙しくなる前に積極的にお子様に料理に関わってもらうのも良いかもしれません!
ところで玉ねぎについてですが、私達は、玉ねぎの葉の部分を食べています。葉が筒状に重なった根元部分で、成長に従い水分や養分を蓄えて球状に肥大した状態の物を食べています。
玉ねぎを観察してみてください。球状の玉ねぎから根がでているので、食べている部分は根ではないことが分かります。
また、葉脈が通っていることも確認できます。更に、その葉脈が平行に通っているので、「玉ねぎは単子葉植物」であることまで分かります!台所に立つことで、理科で勉強する知識を体験として知ることができ、理解が深まりますね。
どうやって食べたら美味しい?
辛味が少なくみずみずしい新玉ねぎは、生で食べても美味しいです。加熱してとろりと甘くなった新玉ねぎもまた、感動の美味しさです。どうやって食べても美味しい新玉ねぎですが、お子様により喜んでもらえるように、調理のポイントをお伝えします。
玉ねぎは血液をサラサラにする効果や疲労回復効果があると言われますが、それは玉ねぎに含まれる「硫化アリル」の効果によるものです。硫化アリルは加熱に弱いため、それらの効果を期待するならば生食が適しています。ですが同時に、硫化アリルは辛味成分でもあります。新玉ねぎは辛味が少ないとはいえ、子どもには辛く感じることがあるので、子ども用には辛味を軽減するための一手間をかけましょう。
水にさらして辛味成分である硫化アリルを流す方法もありますが、同時にビタミンCなどの水溶性ビタミンも流れてしまうので、摂取できる栄養素が減ってしまいます。そこでお勧めの方法が、玉ねぎを切った後に広げて置いておく方法です。
硫化アリルは揮発性が高いので、玉ねぎを薄く切って広げ、10分程度空気に触れさせることで辛味が軽減します。それをサンドイッチに入れると辛味も気にならず、香りや食感は楽しめるので小さなお子様にもお勧めです。
加熱する場合は、通常の玉ねぎと同じように調理するだけで、とろりと甘くなるのが嬉しいところです。新玉ねぎを使った親子丼やオムレツはとても喜ばれます。
また、大きく切っても中まで柔らかくなりやすいので、新玉ねぎならではの楽しみ方をするならば、ビックサイズのフライや、新玉ねぎを丸ごと煮込んだスープなどがお勧めです。
昨年は、コロナ支援として淡路島の新玉ねぎを取り寄せ、子どもたちと大きな新玉ねぎフライを作りました。輪切りにしたので、横に切った際の断面も確認できました。
サクサクの衣と、とろりと甘い新玉葱の組み合わせは絶品です!この美味しさと、ビックサイズの楽しさは子どもたちにもとても印象的だったようで、今でも度々話題にのぼります。
フライの衣つけは食卓など広い場所で取り組むと、子ども達と一緒にストレスなく楽しめますので、挑戦してみてくださいね!
レンチンで美味しい新玉ねぎの肉巻き
水分の多い新玉ねぎは、電子レンジ調理でもとろりと柔らかくなります。そこで今回は、電子レンジで作る肉巻きをご紹介します。レンチンでこの美味しさは、新玉ねぎならではです!
加熱と味付けをした器のまま食卓に出すこともできるので、洗い物が少ないのも嬉しいです。電子レンジは少量の調理もむいているので、お弁当1人分を調理するのも便利です。新玉ねぎの他にパプリカなどを巻くと、お弁当の彩りが豊かになります。
肉を巻く作業は小さなお子様でも楽しんで取り組めるので、一緒に作ってみてください。玉ねぎの観察もお忘れなく!
新玉ねぎの肉巻き| レシピ
材料(2人分)
豚肩ロース薄切り肉 |
8枚 |
新玉ねぎ |
1個 |
塩、胡椒 |
少々 |
A 醤油 |
大さじ1 |
A みりん |
大さじ1.5 |
作り方
- 新玉ねぎは8等分のくし切りにする。
- 豚肩ロース薄切りに肉に塩、胡椒をふり、1を巻く。
- 耐熱皿に2を放射状に並べ、ラップをして電子レンジ(600W)で2分加熱する。
- 上下をかえし、同様に2分加熱する。Aをふりかけ、ラップをせずに1分半加熱する。
通年見かける玉ねぎですが、新玉ねぎを見かけたら「春になったね」と親子の会話ができるといいですね。玉ねぎは身近な存在だからこそ、注目する機会が少ないかもしれません。これを機に、新たな学びや気づきがありましたら嬉しいです。
料理家・キッズ食育トレーナー : 玉田悦子さん
キッズ食育トレーナー。1981年生まれ、千葉県出身、3児の母。
食品メーカーにて開発及びマーケティングに携わった後、料理家として独立。
子どもに様々な食材と触れ合って欲しいという思いから食育活動を始め、2016年に3才~小学生を対象とした食育スクール「青空キッチン市川」を開講(現在月18レッスン開講中)。
その他、コラム執筆やセミナー、フォトスタイリストとしてレシピ開発及び料理撮影等を行っている。
モットーは「食卓を囲む全員にとって食事の時間がもっと楽しいものになりますように!」。食事を作る人も食べる人も幸せであるようなレシピの開発に尽力している。
『プロフェリエ』の玉田悦子さんのページはこちら
※玉田悦子さんは、パソナグループのグループ会社『プロフェリエ』に所属するプロの方です。
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