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INITIATIVE「自分のキャリアは自分で創る」WEBマガジン

HR 2017.02.13 留学生キャリア支援のプロが見る「グローバル人材」の採用トレンド

文:INITIATIVE編集部

政府が高度外国人材の受け入れ拡大に動くなか、企業では国籍を問わずグローバルに活躍できる人材の採用ニーズが高まっています。パソナは外国籍人材に特化した就職イベント「JOB博」の定期開催をはじめ、大学と連携して外国人留学生にキャリアカウンセリングを実施するなど、優秀な外国人材と日系企業の架け橋となっています。今回は、年間2,500名以上の留学生と接し、彼らの母国の親に代わり一人ひとりに寄り添ってキャリア支援に取り組む、パソナ グローバル事業本部 グローバルサーチ事業部の前田学史事業部長に日系企業におけるグローバル人材の採用トレンドや課題を聞きました。




―― JOB博に出展する会社のトレンドを聞かせてください。

昔からグローバル人材の採用ニーズが高い商社やメーカーに加えて、昨今では海外進出を加速するサービス業や飲食業の会社、また日本でのインバウンド事業の拡大を狙う企業の出展が増えています。
新卒に限らず、中途採用も活発です。国内で若手人材の採用枠を満たせない中小企業や地方企業が、優秀で若い外国籍人材に採用ターゲットをシフトさせているケースもあります。

2年ほど前までは、企業は在日留学生を海外法人の将来の幹部候補生として採用していました。しかし、最近は日本での長期的な滞在を視野に入れた採用が増えています。日本でしっかりとしたポジションを作り、国内マーケットで活躍してもらうことを期待した人事戦略を構築されています。

まずは、企業が外国籍人材の強みを活かしたポジションを設けることが雇用ミスマッチを防ぎ、彼らの能力を最大限活かすことに繋がります。
例えば、ある大手素材メーカーでは新たに台湾国籍の人材を採用し、台湾の現地顧客とのパイプ役を任せることで成功されています。日本人では難しい細かなニュアンスを汲み取るコミュニケーションが台湾企業に安心感を与え、関係構築に活かしています。
また、ある大手電気メーカーでは、新商品の設計部門に外国籍人材を配置し、日本人にはない独創的な提案により新たなビジネスチャンスにつなげています。




―― 外国籍人材の採用にあたり、企業が直面している課題は何ですか?


意外かもしれませんが、多くの企業からご相談があるのは「そもそも、海外の候補者との接点がない」ことです。「中国人以外と話したことがない」という人事担当者もいらっしゃいます。
JOB博には中国をはじめ、ベトナム、ミャンマー、インドネシアなどのASEAN諸国やインド、欧米と参加者の国籍は多種多様です。出展企業からは「初めて○○から来日した人と話せてよかった。具体的なイメージが沸いた」という感想をいただくケースも多いです。

もう一つの課題はビザです。企業では、いわゆる高度人材と技能実習生の中間にあたるポジションでの採用ニーズが最も多いです。まだ専門人材とまでは言えないが、日本の新卒採用と同様に留学生のポテンシャルを評価し、入社後の研修や仕事を通じて人材を育んだうえで活躍してもらいたいと考えている企業は少なくありません。
ビザ要件の緩和が進めば、もっと日本で活躍できるグローバル人材は増えると思います。




―― JOB博では参加者一人ひとりに声を掛ける前田さんの姿が印象的です。

「○○の会社のブースはもう寄った?」や「どのような仕事に就きたいの?」など、こちらから話しかけることで、参加者と私達スタッフの距離を縮めたいと思っています。
イベント自体は1日だけですが、その後も参加者には安心して相談に来てもらいたいですし、ちょっとした疑問でも解消するサポートをしたいです。日本での就職活動では、留学生は戸惑うことが多くあります。彼らの背中をポンと押してあげることが非常に重要だと感じています。

パソナではJOB博以外にも、定期的に留学生向けの様々な懇親会を開催しています。リラックスした雰囲気で交流を図ることで、参加者同士でたくさんの発見がありますし、留学生だけではなく日本で働く先輩外国籍人材との人脈を広げられる場になっています。先輩から直接話を聞ける機会は貴重なようで、毎回質問も非常に活発に出て、参加者の満足度は非常に高いです。

―― やはりコミュニケーションは重要ですね


組織においてもそうですが、トラブルが発生する原因の多くはコミュニケーションだと感じています。
私がマネジメントしている事業部は、半分以上が外国籍の社員です。責任者として活躍してくれているメンバーもいます。私は敢えて多国籍になるようにプロジェクトメンバーをアサインしたり、コミュニケーション促進のためフリーアドレスを導入するなどして、日頃から様々なメンバーと接点を持てるような環境を整えています。




―― 今後の展開について教えてください。

2016年には初めてとなる海外でのJOB博を韓国で開催しました。優秀な若手人材を採用するために海外の大学にアプローチする日本企業は増えています。日本での開催に加え、今後はこのように海外でもJOB博を定期的に開催していく予定です。

日本に留学している学生や留学経験のある方が活躍できる場を多く創造し、外国籍人材の方々が気軽にキャリアについて相談し、頼れる存在になれるよう、これからも一人ひとりの気持ちに寄り添うキャリア支援に取り組んでまいります!

■外国籍人材・留学生・海外勤務の就職活動サポートイベント「JOB博」
https://job-haku.com/

■パソナグローバル
http://www.pasona-global.com/gl/

(2016年12月発行「GLOBAL BUZZ Vol.5」より一部改変)

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