本文へスキップします。

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

INITIATIVE「自分のキャリアは自分で創る」WEBマガジン

ライフ 2017.02.01 本当に大丈夫?突然訪れる介護への備え!親に確認すべき9つのこと

文:INITIATIVE編集部

久しぶりに実家に帰省し、高齢となった親の「老い」を感じてショックを受ける―。皆さんもこんな経験はありませんか?40代や50代の働き盛り世代にとって、親の介護の問題は時として大きくのしかかってきます。今回は数々の企業従業員向け介護セミナーで講師を務めるパソナライフケア 主任ケアマネジャー 継枝綾子氏に、突然訪れる介護への備えや、帰省時などに確認すべきポイントについて聞きました。


パソナグループ社内で開催した介護セミナーの様子

介護認定者は75歳以上で急増する


超高齢社会の到来とともに、要介護(要支援)認定者数の数は年々増加し、全国で628.8万人(2016年9月、厚生労働省調査)に上っています。また、「65歳~75歳」と「75歳以上」を比較すると、「要支援」は6倍、「要介護」は7倍の数に増えています。つまり75歳前後が、一番変化がある年齢だと言われています。 

ご両親と離れて暮らしていると、なかなか小まめに様子を知ることができないため、変化や予兆に気付けなかったり、これまで元気だと思っていたのに、病気がきっかけで突然介護が必要になるケースもあります。
このように、急に訪れる介護に慌てないよう、介護に必要な知識を身に付け、日頃からご両親とコミュニケーションを図ったり、事前の準備をしていくことがとても大切です。

介護休業は自ら介護をするのではなく「介護体制の構築期間」


育児・介護休業法の改正により、2017年1月から介護休業93日の分割取得(3回まで)や半日単位での取得等が可能になりました。介護休業を3回に分割取得できることで、「介護体制の構築」「介護体制の見直し」「親御さんの看取り介護」等の節目ごとに活用することができるようになります。 

介護休業は自らが介護をするための時間と誤解されがちですが、実際には「介護に関する長期方針や、介護をするための体制を構築する期間」です。

家族の役割は介護者ではなく、「コーディネーター」。1週間程度の期間があれば、介護保険サービスを受ける手続きは終えられることが多いのです。実際にはケアマネジャー(介護支援専門員)と相談しながら、介護や支援の必要性に応じて、訪問介護、デイサービス、施設介護等のサービスを組み合わせて、計画(ケアプラン)を立てます。

自分で全ての介護をしなくてはいけないと抱え込み過ぎると、疲弊してしまうため、介護の専門家の手を借りましょう。

いざ公的介護保険サービスを受けるためには、65歳以上になると手元に届く介護保険証だけでなく、市区町村の介護保険課の窓口で介護保険の申請をする必要があります。介護の度合いによって受けられるサービスが異なりますので、まずは介護が必要な方の状況、実態を正しく知り、それを伝えることが大切です。

また、介護保険適用内のサービス、適用外のサービスがあるため、受けられるサービスの種類、費用等の情報収集をすることも大切です。 
介護について分からないことがあれば、「地域包括支援センター」の介護の専門家等に相談しながら、体制を整えていきましょう。



帰省した際に確認すべきポイント


ご両親の変化や予兆に気付くためには、日頃から家族と良好な関係を築くことが大切です。かかりつけ医の情報や緊急時の協力者の有無、介護資金や通帳や印鑑の保管場所等を把握しておくことも大切です。帰省した際などに、親の健康状態や生活状況を確認しておくと良いでしょう。

確認すべきポイントは下記の9点です。

・かかりつけ医の有無(介護保険申請時に必要)
・以前に比べて「年のせいかも」と感じることがあるか(疲れやすくなった、風邪を引きやすくなった、家事が辛くなった、など)
・生活の不便さはあるか(歩行、食事、入浴、物忘れ)
・介護が必要になった際にどうして欲しいか(自宅で暮らしたい、子どもと暮らしたい、施設に入所したい、など)
・介護が必要になったときの生活費(年金のみ、年金と貯蓄、他の収入源、など)
・担当の介護相談窓口(地域包括支援センターや担当のケアマネジャー)
・保険の状況(病気や介護が必要になった際の対応)
・緊急時の連絡先(親戚、友人、その他)
・1日のスケジュール

また親の介護が必要になれば、他の家族との協力が必要不可欠です。介護が必要になった場合は誰に看てもらいたいかを親に確認したり、誰が資金を出すかなど、家族内で事前に話し合うことで家族も団結しやすくなります。
今まで気づかなかったご両親の抱えている課題や現在の身体の状態等を知る機会にもなると思います。

おわりに


パソナライフケアでは個人向けの介護サービスの提供のみならず、企業のお客様に対して、社員がご家族の介護のために仕事を辞めるいわゆる「介護離職」の防止策をご提案する「PASONA FAMILY CARE PROGRAM」のサービスを提供しています。社内の実態把握や介護情報の発信、介護セミナーや勉強会開催による職場の風土作り、介護相談デスクの設置、生活支援サービスの提供など、社員がワーク・ライフ・バランスを向上させてイキイキと働ける環境の整備を支援しています。

介護について考えることは、「大切な人」のことをあらためて“想う”機会であり、その方とご自身の“愛”を振り返ること。社員とそのご家族の笑顔のために、仕事と介護の両立支援に取り組もうとされている企業の方は、是非パソナライフケアにお問合せください。

●PASONA FAMILY CARE PROGRAM
https://www.pasona-lc.co.jp/family-care/
●パソナライフケアの「介護サービス」(デイサービス、訪問介護、居宅介護支援)
https://www.pasona-lc.co.jp/kaigo/


パソナライフケア 主任ケアマネジャー 継枝綾子氏
2000年から12年間、介護支援専門員・主任介護支援専門員として多くの高齢者のケアプランを作成。現在は、官公庁より介護関連の研修や就労支援研修を受託し介護講師として従事。その他、仕事と介護の両立支援サービスの新規事業にも関わり、企業向け介護セミナーの講師や介護相談デスクの窓口も兼務。
保有資格:介護福祉士(国家資格)、介護支援専門員、主任介護支援専門員、福祉用具専門相談員

あわせて読みたい

新着記事

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加