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INITIATIVE「自分のキャリアは自分で創る」WEBマガジン

ひと 2016.11.02 アートの力で地域を元気に!ウクライナ人女性が日本の地方創生に取り組む理由

文:INITIATIVE編集部

今年10月に兵庫県淡路島で開催された『Awaji Art Circus 2016』。世界各国のアーティストを淡路島に招き、ダンスやパントマイムなどの様々なパフォーマンス披露を通じて、淡路島の魅力を世界に発信していくイベントとして実施しています。2回目となる今年は淡路市のみならず淡路島全体へ活動範囲を広げ、アーティストが地域の祭りやイベントにも出演して、より地域と連携しながら実施しました。今回は『Awaji Art Circus 』の責任者として昨年より企画・運営を行っているパソナグループ 事業開発部 ブジョラ・エレナさんにイベントの狙いや地方創生に取り組む理由について聞きました!



お互いを信頼しあう日本人、日本文化に感動


私は、ウクライナの「地方」で育ちました。大学に進学する際、ヨーロッパの言語と異なり難しくてエキゾチックな日本語に強く惹かれ、キエフ大学の日本語学科へ進みました。在学中に奈良県の天理大学へ1年語学留学したのですが、近所の古道を散策していたとき、とても印象的な経験をしたのです。

日本ではときどき見かけますが、道の脇に柿の無人販売所がありました。その無人販売所のすぐ後ろには柿の木があり、実もたくさん落ちていました。誰も見ていないので落ちている実を勝手に持って帰ったり、販売所でお金を払わないこともできるのに、お金入れにはちゃんとお金が入っているのを見て、お互いを信頼し合う日本人、そしてこのような素晴らしい日本の社会にとても感動し、思わず涙が出ました。

日本についてさらに興味を持った私は大学卒業後、ウクライナのJICA日本文化センターで2年間、茶道や生け花、雅楽、お琴、書道、アニメ、漫画等の日本文化をウクライナ人に伝えるイベントの企画運営をしました。
そして2011年からは、文部科学省の研究留学生制度を利用して、東京芸術大学大学院にアートマネジメント専攻で入学し、約4年間にわたり様々な芸術プロジェクトに携わりました。その中でも、特に東京都足立区の千住地区で行った地域住民参加型イベント「Memorial Rebirth」の企画・運営は大きなターニングポイントでした。

私はこのイベントで人と人の「縁づくり」を通じた地域づくり・活性化を目標にしていました。千住地区は北千住と南千住に分かれており、それぞれが素晴らしい伝統行事や文化を持っていたのですが、当時はそれが逆に互いの地域の交流を抑制していました。
この「壁」を取り払うためには、互いの地域の魅力を知ったり、人が交流できる「新しい取り組み」や「変化」が必要だと考えました。私にとってそれこそが「アート」だったのです。

そこで「Memorial Rebirth」という、街中を100万個のシャボン玉で包みこむイベントを企画したところ、地域住民の世代を越えた交流機会を創ることができ、アートを通じた地域活性の醍醐味を知ることができました。そして北千住と南千住で分かれるのではなく、千住地区として一つの絆を生み出すことで地域全体を元気にすることができた経験から、地域活性化にはその地域が一体となることが不可欠だと感じました。



▲「Memorial Rebirth」の様子

パソナグループに入社し、地域活性に取り組む


この経験から、日本の地域活性に携わりたいと強く考えるようになりました。そして日本で就職活動をしているときに地方創生事業に取り組むパソナグループのことを知り、入社を決めました。入社後は事業開発部に配属され、外国人を淡路島に招致するプロジェクトとして『Awaji Art Circus』に携わることになりました。

1回目の『Awaji Art Circus 2015』は、全くゼロからのスタートでした。アーティストの募集要項の作成から、実際の募集、選考、アーティストのビザ申請まで対応しました。また、会場探しやチラシ制作、イベント期間中のプログラムの企画なども全て担当しました。周りの方々のご協力もあり、昨年は27カ国から約100名のアーティストの応募があり、最終的に11カ国24名のアーティストを招致し、淡路市内でパフォーマンスを行いました。

今年の『Awaji Art Circus 2016』でも、アーティストの募集や面接、協賛企業集め、スケジュール管理など全てを手掛けました!今年は昨年よりもさらに多い、世界45カ国250名のアーティストから応募がありました。アメリカやイギリスなどの欧米諸国はもちろんのこと、アフリカからも参加の応募がありましたが、一人ひとりとスカイプを通じて面接を行うことで、アーティストのパーソナリティーや日本への関心を知ることができ、『Awaji Art Circus』に熱意を持って参加してくれる人を選ぶことができました。

また淡路島では協賛企業を集めるため、全部で100社ほどの企業を回り、最終的には約40社に協賛いただきました。企業に訪問した際は、話が弾むと2時間くらいあっという間に過ぎることもあり、おかげで淡路島の多くの方々と非常に仲良くなりました。

私が協賛のお願いをするときに気をつけていたのは、ただ「広告を出すから協賛してください」ではなく、「淡路島の魅力を発信してくれる世界中のアーティストを支援する“仲間”になってほしい」と伝えることです。そうすることで、本当の意味でプロジェクトに共感いただける方々に集まっていただくことができました。自らの想いを丁寧に話して、地元の方の理解を得ることができたときはとても嬉しかったです。


▲アーティストと話すエレナさん(写真右)

地元自治体と連携し、実行委員会を発足


さらに今年は、島の魅力発信をより強化するため島内広域に活動を広げたいと思い、私自身が「事務局長」となって、井戸敏三 兵庫県知事を名誉会長に、島内3市(淡路市、洲本市、南あわじ市)の市長らが実行委員に参画する「Awaji Art Circus実行委員会」を発足しました。 
実行委員会を作ったことで、それまで以上に地元の方々からプロジェクトに共感をいただけるようになり、地元のお祭りや小学校への出張パフォーマンスなどをさせていただくことができました。

また、より多くの方々に『Awaji Art Circus』を知っていただくことで、実際に淡路島に来てもらい、島の魅力に触れる機会を増やすことを目的に、プロジェクトの認知向上やファンの獲得、資金調達に向けた「クラウドファンディング」を行いました。想いに共感くださった多くの方々のご協力で、無事に300万円の資金を集めることができました!本当に感謝しています!



▲『Awaji Art Circus 2016』出演アーティスト

日本の魅力を世界へ伝えたい


これからもアートの力で“One 淡路島”を実現し、淡路島の魅力を島内外に伝えていきたいと思っています。島外の人には『Awaji Art Circus』をきっかけに淡路島に来てもらい、パフォーマンスを楽しんでもらうと共に、淡路島の美味しい食べ物や美しい風景などの魅力を知ってもらう。また、来日したアーティストにもそれらの魅力を母国や世界へ発信してもらうことで、海外からの観光誘致にも繋げていきたいです。

また、島内の方には、イベントを通じて淡路島の魅力を再認識してもらい、地元に誇りを持ってもらいたいと思っています。そして将来的に淡路島へのUIターンや観光客が増えることで、たくさんの人で賑わう場所にできればと思っています。

千住で携わった「Memorial Rebirth」の経験から、地域活性化にはその地域の一体化が不可欠であること、そしてそれを実現できるのはアートなどの「新しい取り組み」であると学びました。
柿の無人販売所が成り立つほど社会的信頼が醸成されている日本の“地方”には、世界に通用する魅力と可能性が秘められていると感じています。奈良の古道でそれに気付き感動したときの気持ちを大切に、これからも様々な新しい取り組みにチャレンジして、日本の素晴らしさを世界に発信していきたいです。

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