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INITIATIVE「自分のキャリアは自分で創る」WEBマガジン

HR 2016.04.22 クラウドソーシングによる「新しい地方創生のカタチ」 ~秋田県湯沢市「働き方改革」への挑戦~ <前編>

文:INITIATIVE(イニシアチブ)編集部


高齢者の割合が日本で一番高く、人口減少が課題となっている秋田県。
その秋田県の最南東部に位置し、古くから秋田の南の玄関口として発展してきたのが、「湯沢市」です。

「湯沢」と聞くと、「越後湯沢」の新潟県湯沢町を想像される方も多いかもしれませんが、秋田県湯沢市は、世界3大美女のひとり「小野小町」の生誕地とも言われ、多くの史跡や伝承が守り継がれているほか、豊かな自然に囲まれ、温泉が豊富な地域としても知られています。
そんな人口5万人弱の湯沢市で今、「働き方改革」に向けて“クラウドソーシング ”を活用した新たなチャレンジが行われています。
 

(提供:湯沢市)

クラウドソーシングで働き方を変える


今回、湯沢市のクラウドソーシング活用の事業を手掛けるのが、IT・エンジニアリングに特化した人材サービスを行う「パソナテック」。
パソナテックは、クラウドソーシングサービス「Job-Hub」のサービスを提供し、時間や場所にとらわれないロケーションフリーな働き方を推進しています。

クラウドソーシングとは、不特定の人(クラウド=群衆)に業務を外部委託(アウトソーシング)するという意味の言葉で、発注者がインターネット上のウェブサイトで受注者を募り、個人等に仕事を発注することができる“新しい働き方”の仕組みです。



パソナテックは2015年12月、湯沢市内の企業や市内で働きたいと希望している方々を対象に、クラウドソーシングの導入・活用を支援する各種取り組みを行い、市内企業の経営強化、就労機会創造などに繋げる『クラウドソーシング導入支援事業』を湯沢市から受託しました。

クラウドソーシング導入支援事業とは


事業の柱は大きく3つです。

1.クラウドソーシングプロデューサーの育成

企業のクラウドソーシング活用を推進し、地域に根付かせていくクラウドソーシングプロデューサーの育成

2.企業のクラウドソーシング活用支援
クラウドソーシングの活用を推進するために、クラウドソーシングの発注体験企業を募り、実際に業務の発注を行うほか、クラウドソーシングの活用法について説明する企業向けセミナーの開催

3.在宅ワーカーの育成
時間や場所にとらわれない柔軟な働き方を実現するために、クラウドソーシングを活用して在宅ワーカーとして働くための知識や実務訓練を行う研修プログラムの実施

すなわち、「子育てや家族の介護等の理由で働けない」「農閑期等の限られた時間を活用して働きたい」という個人の方々と、「ホームページやチラシ等のマーケティングを強化したいが、時間や資金、人材が足りない」「簡易な業務を外部にお願いしたい」という企業の方々の、それぞれが抱える課題をクラウドソーシングを通して解決していく取り組みです。



地域の名産品×クラウドソーシング×大手企業


湯沢市に関わらず、地方の事業者が抱える大きな課題の1つが「プロモーション、販路拡大」です。クラウドソーシングを活用して、日本酒や漆器等、湯沢市の魅力と伝統ある名産品をもっと世の中に知ってもらえたら…。

そこで今回連携したのは、「三越伊勢丹ホールディングス」。
グループの国内百貨店の年間入店客数2億人以上を誇る三越伊勢丹グループは、2015年から企業メッセージ“this is japan.”を掲げ、世界に誇る日本のモノ・コトの発信に力を入れています。


▲三越日本橋本店(提供:三越伊勢丹ホールディングス)

そして2016年1月、湯沢市の伝統ある名産品を単に店舗で陳列し販売するだけでなく、商品や作り手が語るメッセージ、想いを「ストーリー」としてお客様に伝えるために、クラウドソーシングを活用して、パッケージやラベルデザインや翻訳業務等を手掛ける「YUZAWA Premium」がスタートしました。
パソナグループでベテラン人材の就労支援や販路拡大支援を手掛ける「日本雇用創出機構」が事業の進行を管理します。

具体的には、湯沢市の事業者に対して、三越伊勢丹のバイヤーが訪日外国籍観光者向けのプロモーションやパンフレットのデザイン等のアドバイスを行い、パソナテックのクラウドソーシングサービス「Job-Hub」を活用して、全国のデザイナーや翻訳者等の在宅ワーカーがパンフレットデザイン等を手掛ける取り組みです。

商品は、3月16日(水)~22日(火)に三越日本橋本店・三越銀座店にて販売し、国内外の方々に対して、湯沢市の魅力を発信しました。

さらに、今回の事業の趣旨に賛同した、NTT東日本による湯沢市内の局社施設の貸与協力のもと「在宅ワーク推進センター」を湯沢市内に設置し、シスコシステムズによるテレビ会議システム等の無償提供により高画質のテレビ会議で事業者とバイヤーとの打ち合わせが実施できる環境が整いました。

こうしたICTの活用を通して、湯沢市の事業者、三越伊勢丹のバイヤー、全国のクリエーター、事業を取りまとめるパソナテック、日本雇用創出機構の連携が新たな価値を生み出す、「伝統と最先端技術の融合」に取り組んできました。


後編はこちら
「YUZAWA Premium」に参加した事業者の想いや、イベント当日の様子をご紹介します!
 

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