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INITIATIVE「自分のキャリアは自分で創る」WEBマガジン

イベント 2016.03.22 個性が輝く企業へのANAの挑戦 「Diversity & Inclusion」

文:INITIATIVE編集部

2月に全国のパソナ拠点で開催された「パソナグループ職博“共に歩む”」。東京会場では26日(金)、全日本空輸株式会社 常務取締役執行役員 河本宏子氏をお招きして基調講演「Diversity & Inclusion ~個性が輝く企業へ~」が開催されました。



日本の空に日本の飛行機を取り戻したいという想い


全日本空輸(以下、ANA)は、2012年に60周年を迎えました。ANAは1952年、まだ民間機の飛行が許可されていない時代に「日本の空に日本の飛行機を取り戻したい」という想いで、2機のヘリコプターと28名の社員でスタートしました。
今でこそANAを世界で活躍する航空会社と考えてくださる方もいるかもしれませんが、最初はヘリコプターで広告チラシの配布や農薬散布を行う、小さな会社でした。

それから数年後、本格的に旅客機を導入し、お客様を乗せて飛べるようになりました。1955年、まだ女性が仕事をすること自体が珍しかった時代に、客室乗務員を募集。数名の募集枠に1000名以上の応募があったそうです。
そうした意味で、ANAは創業の頃から、社内で女性が働くことが自然な会社だったといえます。

ANAのチャレンジスピリット


私は1979年、客室乗務員として入社しました。当時は国内線のみの運航でしたが、1986年から念願の定期国際線を飛ばすようになります。日本の飛行機を飛ばしたいという先輩たちの悲願が達成されたことを、私も当時大変喜んだことを覚えています。

しかし、国際線はその後ずっと赤字が続き、なんと2004年まで黒字化しませんでした。社内では「国際線はやめたほうがいい」「ファーストクラスはいらないのではないか」などの意見が出たこともありました。しかし、「20年後の未来を見据えて国際線で勝負しなければいけない」という先輩たちの想いが、今日のANAの発展につながったと思います。

その後もANAは挑戦し続けます。新型機ボーイング787をローンチカスタマーとして世界で初めて導入しました。もちろん闇雲な挑戦ではありません。現場で支える安全や、社員のチャレンジスピリットがあったからこそ、男女関係なく社員が一丸になり取り組んできました。今、ダイバーシティ&インクルージョンを進める上で、こうした精神が追い風になっています。

ホールディング体制へ移行し「行動指針」を策定


ANAは2013年にホールディング体制に移行しました。グループとして何を目指すのか、社員の心をひとつにしようということで、あらためて「経営理念」「経営ビジョン」「安全理念」を策定しました。安全というものを経営理念と同じ重さで大切にしていることが、お分かりいただけるかと思います。

そしてこの安全理念に向けて、社員がどういう行動をとっていくのか「グループ行動指針」も作成しました。この冊子は全社員に配られていますが、作成に当たっては若手からベテランまでが様々な部署で意見を出し合い、「現場で大切にしていること」や「今後大切にしていきたいこと」などを議論して、社員みんなで作り上げたことが大きな価値だと思います。

「グループ行動指針」には5つの項目がありますが、その中のひとつに「チームスピリット」があります。そこでは「多様性を活かし、真摯に議論し、一意して行動します。」と定めています。
ANAの女性社員比率は55%でその8割が客室乗務員ですが、最近は整備士やパイロットなどでも、多くの女性が活躍するようになりました。このように女性社員の数が多く、しかもそのほとんどが24時間365日のシフト体制で働いているANAでは、独自の制度をたくさん作ってきました。



女性マネージャーとして、一人ひとりの事情を汲み取る


私が入社した30年以上前は、女性の客室乗務員には“定年”があり、子どもができたら辞めないといけない雰囲気が少なからずありました。女性マネージャーも次第に増えていきましたが、それでも出産の報告を女性の上司にすると「それで、仕事は続けるの?辞めるの?」と聞かれるような時代でした。女性同士でも、そのような状況だったのです。

私がマネージャーになりたての頃、女性社員の「育児日」休暇の申請を承認することを、上司に咎められたことがありました。「クリスマスや年末年始、お盆の時期などは、社員みんなが休みを取りたいのに、子育て中の人だけ『育児日』休暇を取れてずるい」という声もありました。私も上司と部下の間に挟まれて、だいぶ悩みました。

そういう時こそ、マネージャーの真価が問われます。私はできるだけ一人ひとりの事情に耳を傾けるようにしました。目に見える事象だけを見れば、「クリスマスに休暇願を出している」となりますが、その裏にはどんな事情があるのか。それを聞いてみて、その社員が自分だけを優先していれば「組織やチームのことを考えて」と言えますが、そうでないケースもあります。
こうした経験から、どんなに制度が充実していても、一人ひとりの事情に耳を傾けることが何よりも大事だと感じています。

女性を活かす様々な制度を構築


ANAでは2000年以降より、仕事と家庭の両立支援、そして経営戦略としてのダイバーシティ&インクルージョン推進に取り組んできました。
最初のステップは環境整備です。2007年に「いきいき推進室」が発足し、女性が長く働ける環境整備や制度構築を行ってきました。例えば客室乗務員にとって、短時間勤務はそもそも難しいです。飛行機に乗務している時間に「お先に失礼します」とはいきませんからね。そうすると、短時間勤務ではなく「短日数勤務」のほうがANAには適しています。
また、配偶者の転勤に伴い会社を辞める人も多かったので、そのための休職制度を作ったり、一度会社を辞めて家庭に入った方が再就職できる制度などを設けました。

私が入社した頃は、育児休職後に仕事に復帰する社員はとても少なかったですが、やはり育児休業中も会社とつながり続けることが大切です。ご主人や子ども同伴で参加できる「育児休職者セミナー」を実施し、先輩社員の話を聞いて、みんなでディスカッションする場を作っています。
また、育児休職中から心の準備と両立体制を考えられるよう「仕事復帰応援ブック」を作ったり、「子ども職場参観日」を作ってお父さん、お母さんの仕事や職場に対して、ご家族にご理解いただけるようなイベントも開催しています。



今年4月、女性活躍推進法が施行されますが、ANAはそれに先立ち2014年に「ポジティブ・アクション宣言」を行い、社内の女性活躍に関する数値目標を掲げました。女性の力を活かしてANAブランドに新しい価値を創造し、組織に新しい風を吹き込み、将来の事業の発展を共につくっていくという明確なメッセージを出しました。
現在は女性社員から4名の執行役員、2名のANAグループ会社の社長が生まれています。

また、女性社員には役員登用だけではなく、現場職のエキスパートとしても輝いてほしいと思っています。日本人初の3万時間飛行を達成した客室乗務員もANAから生まれました。彼女は今も雇用延長で働いており、後輩たちの目標となっています。

ただ、女性社員の中には、「管理職なんて私には無理…」と考えている方も多いのが現状です。女性の意識改革を行い、背中を押してあげることも必要だと感じています。女性のキャリアデザインセミナーや、部署を超えたメンター制度、女性管理職ネットワークなどをつくり、異なる部署同士でも顔が見える関係を作るなどしてサポートしています。

経営戦略としてのダイバーシティ&インクルージョン推進へ


2015年度のスタートにあたり「ダイバーシティ&インクルージョン宣言」を発表しました。多様性を活かしインクルージョンすることをイノベーションの源泉と考え、ダイバーシティ推進委員会を通じて女性、シニア、障がい者、クロスカルチャ、LGBTの個別課題に対する取り組みを強化しています。

私たちの取り組みはまだ道半ばではありますが、近年、女性活躍に関する様々な賞をいただく機会も増えています。ご評価いただけることに感謝の気持ちを持ち、これまで私たちが取り組んできたことを大切にしながら、今後もダイバーシティ&インクルージョンの推進に取り組んでまいります。
 

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