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INITIATIVE「自分のキャリアは自分で創る」WEBマガジン

ひと 2016.03.09 本当はどこまで進んでいる?日本のグローバル化のいま <前編>

文:株式会社パソナ 執行役員 グローバル事業部長 市川知之



日系企業が“グローバル化”で学ぶこと


今“グローバル化”に取り組む日系企業の多くは次の2つを課題に感じています。

一つは、昨年日系企業による海外企業のM&Aは10兆円の大台を初めて突破し、ますますグローバルなM&Aが増加する中で「日本にいながら海外企業とやり取りすること」に苦労をされています。
二つ目は、日本国内で外国籍社員を採用する企業は増えていますが、「彼らの強みを本当に活かして伸ばし、さらには会社にとっても有益な業務を作ること」も課題となっています。

一つ目の課題であるM&Aした海外企業とのやり取りは、大きく二つのパターンが見受けられます。ひとつは、相手企業を放置してしまうパターン。もうひとつは逆に、日本本社のやり方や意見を押し付けてしまうパターンです。
自社の強みと相手の強みを本当の意味で理解し、互いに提示しあうことでそれぞれの強みを活かしたシナジーが生まれます。しかし、残念ながら成功しているケースは意外と少ないです。真のシナジーを生むにはコミュニケーションが重要です。

グローバルに成功するためには、3つの“C”が必要であると言われています。
Communication(コミュニケーション)、Consideration(配慮)、Cooperation(協調)。加えて、Share(共有力)も私は大変重要だと思います。M&Aの場合、自社のビジネスや情報を相手にしっかり伝え、意見をもらうことで初めて相乗効果が生まれます。

新しいビジネスチャンスやアイディアを相手から得ることにもなります。このような「共有力」は簡単と思ったり、出来ていると思いがちですが、実際は出来ていないことが多いのではないでしょうか。

フラット化が進むなかで求められる人事制度


国籍に関係なく優秀な人材が、もっと数多く日本で活躍するためには何が必要なのか。日系企業の報酬・評価制度は世界からみて特殊であるということを、まず認識する必要があります。

そのため、企業の人事制度をグローバルスタンダードに変えていく努力をしなければなりません。グローバルに活躍する部長クラス以上の優秀な人材が、日系企業での仕事を「魅力的」だと思うような制度にする必要があります。高い報酬はマストです。

もちろん、働きがいや会社への帰属意識は、給与だけで決まるものではありません。ただ、日系企業が思っている以上に、グローバルに活躍している優秀な人材にとっては、自分への評価の基準として、給与・報酬は重要な要素のひとつであり、ここを怠ると日本のグローバル化が遠ざかってしまいます。

そして、報酬・評価制度に加えて重要なのが、外国籍社員の戦略的な人員配置を鑑みた採用です。外国籍社員の強みは何なのか。社内でグローバル人材が活躍できる環境があるのか。目的を持って人材を雇うことが大事です。日本人の社員と全く同じような業務内容や貢献を期待していてはもったいないです。

今後、世界は益々フラット化します。国籍問わず、経営者やマネジメント層がボーダーレスに動く企業経営が日系企業にも求められます。マネジメント層のグローバルモビリティマネジメントが企業のグローバル化の鍵を握るでしょう。

このような体制をいかに構築するか。IBMやGE等、多くのいわゆるグローバル企業では例えばシンガポール国籍の方が中国法人の社長を務める等、社長のボーダーレスの人事異動やグローバルレーティング制度(報酬・評価制度)等がしっかり構築されています。
日本では、いまだに年功序列の名残があったり、昇進の基準が明確でなかったりと、独特の人事制度や曖昧な評価制度が残っていますが、これでは海外から優秀な人材を獲得するのは困難です。

日本企業の多くは「グローバル化」ではなく、ようやく「インターナショナル化」を迎えています。
グローバルとは、「1つや2つの地域だけではなく地球全体に関わる」という意味です。「ワールドワイド」「ユニバーサル」が類義語で、「無制限、一般的、包括的な」という意味も持ちます。つまり、様々な国・地域が統合されたひとつの単位です。
一方でインターナショナルとは、「1つあるいは2つの地域に関する」という意味です。何かが起きた際、その数カ国間にしか影響が及ばない状況を指します。

世界の国境はどんどんなくなっています。TPPの促進やASEAN経済共同体の発足等、今後ボーダーレス化は更に進むかと思います。
そのような世界情勢において日本のビジネスはどうなっていくのか。国籍問わず、専門知識・スキルを持った人材へのニーズは増えます。また、企業は社員に対して、例えば長野県と千葉県間で異動辞令を出すのと同じ感覚で、ニューヨークとジャカルタ間での異動が日常化するかもしれません。

となると、英語はツールとして大事になります。日本人は完璧な英語を追求したり、英語力を身に付けることだけに集中し過ぎる傾向にありますが、英語はあくまでもコミュニケーションを図る手段の一つです。
グローバルにコミュニケーションを図るには相手の文化、歴史、宗教を学び、受け入れることも重要です。前述した3つのC(Communication(コミュニケーション)、Consideration(配慮)、Cooperation(協調))とShare(共有力)が最も大事であると考えます。

【後編はこちら】

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