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INITIATIVE「自分のキャリアは自分で創る」WEBマガジン

ライフ 2016.02.15 農業の初心者が、独立就農する前に知っておくべき4つのこと

文:「INITIATIVE」編集部

「会社を辞めて、地元で農業をやりたい!」
「都会であくせく働くのではなく、地方で農業をやりながら自分のペースで働きたい」

そのように思ったことがある方も多いのではないでしょうか?
農業は多くの喜びややりがいがある仕事ですが、いざ始めてから「こんなはずではなかった…!」とはなりたくないですよね。

今回は、就農支援や農業関連コンサルティングで日本全国、海外にも足を運んでいるパソナ農援隊の中川正樹取締役に、農業初心者が農業を始める前に知っておくべきこと、やっておくべきことについて聞きました!




――農業という働き方に魅力を感じる方は増えているのでしょうか。

中川:そうですね。一時の「農業ブーム」は少し落ち着きを見せていますが、その分、今は将来本気で農業をやりたい!という方が増えているように感じます。また、非農業関連の企業から農業分野に参入するための相談を受けるケースは相変わらず多いです。TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)のスタートに向けて、農業分野に大きなチャンスがあることは事実ですが、就農や参入前にきちんとした準備が必要なことはお伝えしています。

――たとえば東京で働くビジネスマンが一念発起して、地方に移住して農業を始めようとしたとき、見落としがちなことなどはあるのでしょうか?

中川:すぐに農業のビジネスモデルを考えたり、栽培技術を学ぼうとする方は多いですが、私は講演などで「その前にやっておくべきことが4つある」とアドバイスしています。

まずは、最近の農業のトレンドを知ることです。
巷に溢れる農業関連の書籍で紹介されている、農業経営の過去の成功事例は、これからの時代でも通用するとは限りません。最新のトレンドに合った農業経営を考えないといけません。

例えば、今は政府の「一億総活躍社会」というスローガンに代表されるように、社会における女性の活躍に注目が集まっています。であれば、夫婦で農業をはじめる際には奥様にも前に出てきてもらった方が良いかもしれません。
また、海外からの旅行客、いわゆるインバウンド需要が高まる中で、いかに地域資源を生かしながら農業と観光を組み合わせたビジネスを創れるかもポイントになるでしょう。企業とのコラボレーションや、大学・学生とのジョイントも注目されています。

こうした世の中の動きと農業のトレンドには常に感度を高く持っておくべきです。




――たしかに、農業関連のビジネス書は書店にたくさん並んでいますが、情報はどんどん古くなりますし、それを読んだからといって成功するものではないですものね。

中川:そうです。そういう意味でも、アドバイスの二つ目は、事前に「自分がなぜ農業をやりたいのか」というビジョンを持つことです。

どんな仕事でもそうかもしれませんが、農業はそんなに簡単に儲かる職業ではありません。たとえ、所得は高くなくても「地域のため」という使命感や、自然を相手に働くことに対して純粋にやりがいを感じるなどの理由がなければ、長く続けていくのは大変です。

農業技術や経営スキルを身につけることはもちろんですが、その前に、“どうして農業をやるのか”“どういう農業経営を目指すのか”というビジョンを持つべきです。
例えば家族経営にするのか、法人化して大規模農業をやるのかによって、まったく経営のやり方は異なってきます。ご家族とも話し合って、自分なりのビジョンを持つことが大切です。

――どういう準備をしたらいいですか?

中川:三つ目のアドバイスになりますが、今の仕事をしているうちに、今住んでいる地域で農業関連の人的ネットワークを作っておくことが大切です。
その人脈は将来、農産物の売り先や、経営相談の相手になってくれる仲間になります。

農業ってブラックボックスが大きいんですよ。多くの人は農家の方々がどのような生活スタイルで、どんな野菜をいくらで卸していて、どのような収支になっているのかなんて知りませんよね。
農業の世界に入ってから「想像と違った」とならないように、事前に農業を営んでいる人たちと大いに交流を持つべきです。

また、農業を始めると、会社勤めのころと比較して一気にコミュニティは狭くなります。地元の農協の、たとえば「トマト部会」のようなところの仲間としか日頃の付き合わなくなることもあります。新しい人脈が築きにくくなるため、独立前の人脈は自分のビジョンの実現に向けた大きな財産になるでしょう。

――なるほど。確かに会社員時代とは、付き合う人たちが一気に変わりそうですね。逆に、農業に携わってこなかった人だからこその強みなどはありますか?

中川:これから農業を始める人は、日本の農業界では諸外国に比べて遅れている「第三者認証」の取得を、はじめから意識して起業してほしいです。JGAPやHACCPなどの認証を取っておくと、将来海外向けのビジネスをしたり、国内で大手企業を相手に事業を行う際に絶対に有利になります。


中川:
先日、あるASEAN加盟国の大学で日本の農業について講演を行ったのですが、現地の学生から笑いがおきたポイントがあります。

「この野菜は○○さんが作りました!」という言葉と共に、人の良さそうなおばあさんが笑っている、野菜即売所の看板の写真を見せたんです。この看板の意味が、海外の方にはわからないそうです。

日本では「顔が見える=安心」という気がしますよね。この理論は海外では通用しません。
「私が作りました」と言って笑顔の写真を見せたところで、その野菜が安心・安全かどうかには何の保証もないからです。

これが日本の農業で第三者認証制度が遅れている理由です。HACCP認証が普及しているEUはとても厳しいですし、日本よりも中国やASEAN諸国のほうが制度の普及度は高いといわれています。

ですから、これから農業に参入しようとする方は、第三者認証の取得を最初から視野に入れておくべきです。
どんなに有機栽培で素晴らしい野菜を作っても、その保管やパッキングが不衛生な環境で行われたら安全な野菜ではないですよね。第三者認証に対する意識があれば、起業するときから倉庫や加工場などを効率的で衛生的な環境にしようとするはずです。それがすなわち、皆さんの将来の事業の強みになります。

こうした視点を持ちながら独立すれば、農業分野には大きなチャンスが広がっています。新しい発想を持つ農業経営者が増えていくことが、日本の農業の発展につながります。私もこれからも志とビジョンを持つ農業者と共に歩み、全力でサポートしていきたいと思います。

まとめ


いかがでしたか?従来、農業に参入する際のポイントとして農業技術や経営スキルなどにスポットが当たっていましたが、中川さんが「それは大前提」と言い切っていたのが印象的でした。最後に4つのポイントをまとめます。

1.農業のトレンドを知る
2.将来ビジョンを持つ
3.起業前に農業関連の人脈を作る
4.最初から第三者認証取得を視野に入れる


これから農業にチャレンジしようとする方は、これら4つのポイントを参考にされてはいかがでしょうか?

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