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INITIATIVE「自分のキャリアは自分で創る」WEBマガジン

ライフ 2016.02.15 レジリエンス(逆境力)〜 折れない心を育てる3つの習慣

文:ポジティブサイコロジースクール代表 久世 浩司




レジリエンスとは何か?


「レジリエンス」という言葉を耳にしたことがありますか?レジリエンスとは 「ストレスや重圧が高い状況で柔軟に対応し、失敗や困難を乗り越えて成功・成長へと導く人と組織の力」という意味で使われています。
レジリエンスが注目されている背景には、職場におけるストレス問題があります。2015年12月からは従業員50人以上の事業所で「ストレスチェック診断」が義務化されました。
そこでストレスに負けない心の持ち方を育成し、メンタルの一次予防として、レジリエンス研修を導入する企業・自治体が増えています。


レジリエンスを高める3つの習慣


私は企業研修や講演会の場で次の3つのポイントを強調しています。

1. ストレスの宵越しをしない


強いストレスを感じたら、その日のうちに「気晴らし」をする習慣をもちましょう。また、効果的なのは、ウォーキングやジョギング、ダンス、ストレッチ体操などの「運動系」です。好きな音楽を聴いたり、カラオケで歌を唄う「音楽系」も有効です。さらには、ヨガや座禅などの「呼吸系」、日記や手紙などで内面の感情を外に出す「筆記系」も感情を鎮静化する効果があります。
その日のうちに気晴らしをして、ストレスやネガティブな感情を次の日に持ち越さないことが肝要です。

2. サポーターの助けを得る

仕事における失敗や対人関係の問題などは、一人で解決することが難しいものです。しかし、真面目で頑張り屋な人ほど、悩みを抱え、自分で対処しようとしてしまいます。
一方で、レジリエンスが高い人は、積極的に「社会的支援」を得ようとします。これは、職場や家庭における自分の“サポーター”に助力や助言を求める援助希求の行動です。

3. 感謝の感情を豊かにする


感謝の感情は、ストレス耐性や免疫力を高めたり、人間関係における潤滑剤となることがわかっています。
感謝の気持ちを高める習慣としては、それを手紙やカードで相手に伝える「感謝の手紙」、夜寝る前にその日に起きたありがたい出来事を筆記して振り返る「感謝日記」などがあります。
また、仕事での小さな達成や恵まれたことなど「3つのよいこと」を数えることも有効な習慣です。
感謝の念を感じるには、特別な出来事は必要ありません。平和な1日を過ごせたこと自体が感謝の対象となるからです。

まとめ


この3つのポイントに留意して、心の健康を維持する習慣を生活に取り入れることが大切です。
企業も従業員が生き生きと働き続けられるよう、研修や社内の仕組みづくりを行ってはいかがでしょうか。


●ポジティブサイコロジースクール代表 久世 浩司氏
慶應義塾大学卒業。世界最大の消費財企業P&G勤務後、 社会人向けスクールを設立し代表に就任。専門はレジリエンス。企業研修の様子はNHK「クローズアップ現代」でも放映された。著書に『「レジリエンス」の鍛え方』(実業之日本社)など多数。

(2016年1月発行「HR VISION vol.14」より)

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